メディア掲載と「おすすめ○選」記事への載り方|AI 検索で紹介される店になるための PR

最終更新 LocalBase 編集部監修: 寺師 岳見
効果の目安マップ低通常検索中AI 検索高見方

結論: AI は「○○駅でおすすめの整骨院は?」と聞かれると、Web 上の紹介記事に繰り返し名前が出る店を選びやすいと考えられています。海外の専門家への調査でも、「おすすめ○選」の記事への掲載は AI 検索で紹介されるための最も重い要因の一つとされました。狙うのは、編集者が選んで書いている第三者の記事への掲載です。お金を払った掲載は「広告」と分かる表示が必要で、自社サイトで自店を 1 位にした「おすすめ記事」を量産するのは逆効果になりえます。

なぜ AI 検索で重いのか

海外の専門家への調査(Whitespark「Local Search Ranking Factors」2026 年版、2025 年 11 月公開)では、AI 検索での見え方に影響する要因が新たに調べられ、専門家が選んだ「おすすめ○選」の記事への掲載が最も影響の大きい要因の一つとされました。新聞・ブログなどの記事での言及も上位に入っています。

AI 検索の答え方を考えると、理由が見えてきます。

  1. 利用者が「渋谷で評判のいい整骨院を教えて」と聞く
  2. AI は Web を検索し、「渋谷 整骨院 おすすめ」のような紹介記事や、ポータル、クチコミを読む
  3. 複数の記事で名前が挙がっている店、紹介の理由がはっきり書かれている店を選び、理由を添えて答える

AI は、店自身の「当院は地域 No.1」より、第三者が書いた「この店は○○が評判」を根拠として使いやすいと考えられます。紹介記事は、店名・場所・特徴・評判が 1 つのページにまとまっているので、AI にとって使いやすい材料です。

日本語の AI 検索で同じ規模の検証は見当たりませんが、仕組みは同じと考えられます。

自社サイトで「おすすめ○選」を作るのは危うい

自社サイトに「渋谷のおすすめ整骨院 5 選」という記事を作り、自店を 1 位にする手法が海外で広がりました。しかし、2026 年 1 月ごろから、こうした自社を 1 位にする比較記事を大量に載せたサイトの検索での見え方が大きく下がったという分析が、海外の SEO の実務者から報告されています。影響は記事だけでなくサイト全体に及んだ例もあるとされます。

Google が公式に認めたものではありませんが、自店を推すために「第三者の比較記事」を装う手法は、利用者にとっても公正ではありません。日本では、事業者が自分で書いた比較記事に根拠のない順位を載せると、景品表示法の不当表示の問題にもなりえます。

日本の紹介記事の種類

種類 例 掲載の判断 狙い方
地域メディアの特集 地域ニュースサイト、地方紙、タウン誌の Web 版の「新店まとめ」「○○特集」 編集部が選ぶ。最も信頼される 情報提供、取材の受け入れ
ポータルの編集記事 グルメサイト・美容サイトの特集記事、エリアのまとめ 媒体の編集部が選ぶ(有料プランの店から選ぶこともある) 媒体の店舗情報を充実させる、担当者に相談
比較・紹介サイト 「○○市の歯医者おすすめ 10 選」のような比較サイト 運営者が選ぶ。成果報酬や掲載料のものも多い 情報の訂正と追加の依頼。有料なら表示を確認
個人のブログ・SNS 地域ブロガー、グルメアカウント 書き手が選ぶ 来店してもらう。招待なら PR の表示を依頼
公的・団体の紹介 自治体・観光協会の特集、商店街の「おすすめの店」 団体が選ぶ 団体の活動に参加する
雑誌・テレビの Web 版 情報誌のランキング、番組の紹介ページ 編集部が選ぶ 取材の依頼に応える、プレスリリース
有料のランキング掲載 「取材記事」と称する掲載料付きの記事、「○○部門 1 位」の認定 お金で決まる 下の「有料掲載の扱い」を参照

掲載の働きかけ方

1. 載るべき記事を探す

  • 「地域名 + 業種 + おすすめ」「地域名 + 業種 + 人気」「駅名 + 業種 + ランキング」で検索し、上位 20 件の紹介記事を一覧にします
  • AI 検索(Google の AI モード、ChatGPT、Copilot など)に「○○駅でおすすめの○○は?」と聞き、答えに出てくる店と、出典として示される記事を記録します。AI がどの記事を根拠にしているかが分かります
  • 記事ごとに、誰が書いているか(編集部・個人・比較サイト)、更新日、掲載の条件(問い合わせ先、掲載料の有無)を記録します

2. 自店が載っている記事の情報を直す

すでに載っている記事の情報が古い(移転前の住所、変わった営業時間、終わったメニュー)と、AI が古い情報を答えます。運営者に訂正をお願いします。訂正の依頼は、新しく載せてもらうより通りやすく、すぐ効果が出ます。

3. 載る理由を用意する

紹介記事の書き手は「なぜこの店を選んだか」を書く必要があるので、書きやすい材料を用意します。

材料 例
ひと言の特徴 「土日も 20 時まで受付の整骨院」「国産そば粉の十割そば」
事実で示せる強み 開業年、資格者の人数、専門の設備、取り扱っている銘柄
写真 外観、内観、代表的なメニューや施術の様子(使ってよい写真であることを明記)
正確な基本情報 店名・住所・電話番号・営業時間・定休日・URL(正本どおり)
評判の裏付け GBP やポータルのクチコミの数と評価(数字は最新のものを)

自社サイトに、この内容をまとめた「取材・掲載をご検討の方へ」のページを作っておくと、書き手が情報を確かめやすくなります。

4. 連絡する

紹介記事の問い合わせ先に、短く連絡します。

○○(媒体名)ご担当者様 ○○駅東口で整骨院を営んでいる○○整骨院です。「○○駅周辺の整骨院」の記事を拝見しました。 当院は土日も 20 時まで受付しており、会社帰りの方に多くご利用いただいています。記事の更新の際に、掲載をご検討いただけますと幸いです。 基本情報と写真は次のページにまとめています: https://example.jp/press/ ○○整骨院 ○○(担当者名)電話: 03-1234-5678

  • 掲載を「お願い」するだけにする: 「載せてくれたら謝礼を」と申し出ると、有料掲載と同じ扱いになります(下の「有料掲載の扱い」)
  • 一斉送信しない: 記事を読んだうえで、記事ごとに 1 通ずつ送ります
  • 断られても追いかけない: 次の更新の時期(年度替わり、季節の特集)に、新しい話題があれば改めて連絡します

プレスリリース

出すとよい話題

  • 開業、移転、リニューアル
  • 地域で初めてのサービス、珍しい設備
  • 地域のイベントの開催・協賛、地域の課題への取り組み(子育て支援、高齢者の見守りなど)
  • 店舗の利用者に聞いた調査の結果(正しい方法で行ったもの)

「新メニューを始めました」だけでは記事になりにくいので、地域の人にとってのニュースになるかを考えます。

出し方

方法 内容 向いている話題
配信サービス PR TIMES などに有料で配信 全国に向けた話題、提携先の多い話題
記者クラブへの資料の持ち込み 県庁・市役所などの記者クラブに、資料を届ける(クラブごとに手続きがある) 地域の話題。地方紙・地元のテレビ局の記者に届く
地域ニュースサイトへの情報提供 地域ニュースサイトの情報提供の窓口に送る(○○経済新聞や地域の情報サイトなど、窓口を設けているところが多い) 開業・新店・地域のイベント
自治体・商工会議所の広報 広報誌や会報の掲載を依頼 地域活動、地域の制度に関わる話題

記者クラブへの持ち込みは、地域の店舗にとって費用がかからず効果の大きい方法です。手続き(事前の連絡、部数、時間)はクラブごとに違うので、幹事社や自治体の広報の担当に確認してください。

プレスリリースのリンクの扱い

Google は、プレスリリースなどに含まれる作為的なアンカーテキストのリンク(「渋谷 整骨院」のような検索の言葉にリンクを張る)を、リンクスパムの例に挙げています。プレスリリースのリンクは店名か URL そのものにし、リンクで順位を上げることは期待しません。プレスリリースの価値は、記者がそれを見て記事を書くことにあります。

地域メディアへの情報提供のコツ

  • 時期: 開業の 2〜3 週間前に送ると、開業に合わせた記事になりやすくなります
  • 人を出す: 「なぜこの地域で始めたのか」「どんな人がやっているのか」は、地域メディアが書きたがる話題です
  • 写真を付ける: 使ってよい写真を 3〜5 枚。横長の外観写真は使われやすい
  • 取材の受け入れを明記する: 取材の連絡先と、対応できる日時を書きます
  • 記事が出たら: 自社サイトや SNS で「○○に紹介されました」と記事にリンクします(記事の転載はしない)。記事の情報に誤りがあれば、すぐに訂正をお願いします

LocalBase が支援しているカフェでは、GBP と Instagram に普段は出していなかったビーガンメニューの投稿をしたところ、それを見たビーガン専門メディアの元ライターが来店し、自身のブログで紹介してくれたことがありました。店の特徴をはっきり発信していると、書き手のほうから見つけてくれることがあります。

有料掲載の扱い

お金を払って紹介記事やランキングに載ることは、それ自体が禁止されているわけではありません。ただし、次の 3 つのルールに触れないようにします。

1. 景品表示法(ステルスマーケティング規制)

2023 年 10 月から、事業者の広告なのに、広告であることが一般の消費者に分かりにくい表示は、景品表示法の不当表示として規制されています。

状況 判断の目安
掲載料を払い、記事に「PR」「広告」「提供:○○」の表示がある 広告と分かる。問題になりにくい
掲載料を払ったのに、記事が編集部の中立な紹介に見える ステマにあたるおそれ
無料で招待した書き手が、招待と書かずに紹介する 店が内容に関わっていればステマにあたるおそれ。招待であることを書いてもらう
書き手が自分で来店して、自由に書いた 店の表示ではない

消費者庁は、事業者が明示的に依頼していなくても、やり取りや対価の内容から、事業者が表示の内容の決定に関わったと判断される場合があるとしています。

2. 「No.1」「ランキング 1 位」の表示

消費者庁は 2024 年 9 月、「No.1 表示に関する実態調査報告書」を公表し、サイトを見せて印象で選ばせただけの調査をもとにした「顧客満足度 No.1」のような表示は、根拠のない不当表示になりうるとの考え方を示しました。

  • 「○○ランキング 1 位に選ばれました」という認定を有料で受け、それを自社の広告で使うと、その順位に合理的な根拠がなければ不当表示の問題になりえます
  • 掲載の営業で「1 位にします」と言われたら、どういう調査で順位を決めているかを確認します

3. Google のリンクのポリシー

お金を払った掲載のリンクには、rel="sponsored"(または nofollow)が付くのが正しい扱いです。「順位が上がるリンク付きの記事」を売っている媒体は、Google のリンクスパムのポリシーに反しています。

有料掲載を判断する表

確認すること ○ ×
広告の表示 「PR」「広告」が明記される 中立の記事に見せる
順位の根拠 編集部の基準、または「掲載店」として並べるだけ お金で 1 位が決まるのに、根拠のある順位のように見せる
リンク sponsored・nofollow が付く 「順位が上がるリンク」をうたう
媒体の質 実際の読者がいる、地域や業種の専門の媒体 中身のない量産のランキングサイト
費用対効果 記事からの来店・問い合わせを測れる 「AI に載る」「MEO 対策になる」だけが売り文句

よくある違反・失敗

× 何が問題か
自社サイトに「地域のおすすめ○選」を作り、自店を 1 位にする 利用者に公正でない。自社を 1 位にする比較記事を量産したサイトの見え方が下がったという報告がある。根拠のない順位は景品表示法の問題にもなりうる
自作の「第三者風」ブログを作り、自店を紹介する 作為的なリンク・言及。発覚すると信用を失う
掲載料を払った記事を「メディアに選ばれました」と宣伝する 広告であることを隠すとステマ規制に触れるおそれ
「顧客満足度 No.1」の認定を買って広告に使う 根拠のない No.1 表示として不当表示になりうる
一括送信で数百の媒体に掲載依頼を送る 迷惑メールとして扱われ、媒体との関係が悪くなる

業種ごとの注意

  • 医療・歯科: 医療広告ガイドラインでは、他の医療機関と比べて優れていると示す比較優良広告(「地域で一番」「ランキング 1 位」など)が禁止されています。医療機関が費用を払ったり内容に関わったりした紹介記事は、医療機関の広告として扱われる可能性があります。ランキング記事への有料掲載は特に慎重に判断します
  • 整骨院・鍼灸院: 施術所の広告は、法律と厚生労働省のガイドラインで載せられる内容が限られています。有料の紹介記事で施術の効果や「No.1」をうたう表現は避けます
  • 士業: 弁護士会・税理士会などには、業務広告の規程があります。比較や順位を示す広告が制限されている場合があるので、所属する会の規程を確認します
  • 飲食・美容: 招待で来店したインフルエンサーの投稿には、招待であることを表示してもらいます

複数店舗の場合

  • 紹介記事は地域ごとに違うので、店舗ごとに「載るべき記事の一覧」を作ります。本部はひな形(探し方、依頼の文面、写真の素材)を用意し、地域の記事の把握は店舗に任せる分担が現実的です
  • プレスリリースは、全店に関わる話題は本部から、地域の話題(開業・地域のイベント)は店舗ごとに、地域の記者クラブ・地域メディアへ出します
  • 有料掲載は、本部で判断の基準(上の表)を決め、店舗が個別に契約しないようにします。媒体の営業は店舗に直接来ることが多く、条件の悪い契約が店舗ごとに増える原因になります

チェック項目

  • 「地域名 + 業種 + おすすめ」で上位の紹介記事を一覧にした
  • AI 検索に聞き、答えの出典になっている記事を確認した
  • 自店が載っている記事の情報(住所・営業時間など)が最新
  • 書き手が使える材料(特徴・写真・基本情報)をまとめたページがある
  • 地域の記者クラブ・地域メディアの情報提供の窓口を把握している
  • 有料の掲載は、広告の表示とリンクの属性を確認している
  • 自社サイトに、自店を 1 位にする比較記事を作っていない
  • 業種の広告の規制(医療広告ガイドラインなど)を確認している

よくある質問

Q. 「AI に載る記事に掲載します」という営業が来ました。 どの AI に、どの質問で載るのかを、根拠と一緒に確認してください。AI がどの記事を参照するかは時期や質問で変わり、保証できるものではありません。広告の表示とリンクの扱いも、上の表で確認します。

Q. 自社のブログで地域の紹介記事を書くのはだめですか? 地域の情報を紹介する記事自体は問題ありません。問題になるのは、同業の比較記事を装って自店を 1 位にすることです。自店の記事は自店の紹介として書き、地域の記事は地域の情報(イベント、他業種の店、観光)として書きます。

Q. メディアに紹介されたら、その記事を自社サイトに載せてよいですか? 記事の全文や画像をそのまま転載するのは、媒体の許可が必要です。「○○に紹介されました」と記事へのリンクを載せるのが基本です。

Q. 紹介記事に載ると、Googleマップの順位も上がりますか? マップの順位への直接の効果ははっきりしていません。紹介記事は、通常検索で紹介記事自体が上位に出る、AI 検索で紹介される、店名で検索する人が増える、という形で効果が出ると考えられます。

出典

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