訪日客(インバウンド)向けの MEO|Googleマップの自動翻訳、外国語のクチコミ、店名の外国語表記、海外の媒体
結論: 訪日客のほとんどは Googleマップで店を探し、GBP の情報とクチコミは利用者の言語に自動で翻訳されて表示されます。特別な多言語の設定より、日本語の情報を正確に・分かりやすく書くことと、外国語のクチコミを増やして返信することのほうが効果があります。GBP では店名を外国語と日本語で併記できないので、英語の情報は自社サイトや Apple マップの代替名、海外の媒体で補います。
なぜ大事か
日本政府観光局(JNTO)の推計では、2025 年の訪日外客数は 4,268 万人で、過去最高でした。
訪日客が日本で使う地図は、ほぼ Googleマップです。Payke が 2025 年 7 月に公表した調査(繁体字・英語・韓国語の話者 1,827 人)では、日本の滞在中に Googleマップを使った人は 99% で、移動だけでなく観光地や飲食店を探すのにも使われていました。
LocalBase が以前、同じ「shibuya izakaya」の検索を日本の利用者と英語の利用者の設定で比べたところ、同じ店舗が並んでいても、英語の利用者には店の情報が英語で表示されていました。訪日客は、日本の店を母国語で探して、母国語で比べているということです。
GBP の情報はどう翻訳されるか
Googleマップは、利用者の端末やアカウントの言語に合わせて、店舗の情報を自動で翻訳して表示します。
| 項目 | 訪日客にどう見えるか | 店舗がやること |
|---|---|---|
| 店名 | 日本語のまま、または Google が持っているローマ字・外国語の名前で表示されることがある | 店舗側で外国語の名前を別に登録する欄はない(後述) |
| カテゴリ | 利用者の言語で表示(「居酒屋」→ Izakaya restaurant など) | 正しいメインカテゴリを選ぶ。翻訳されて意味が通る具体的なカテゴリが有利 |
| 住所 | 利用者の言語の形式で表示 | 日本語の住所を正確に。建物名・階数を省略しない |
| 営業時間 | 利用者の言語・形式で表示 | 正確に。特別営業時間も入れる |
| 属性 | 利用者の言語で表示 | 支払い方法(クレジットカード、タッチ決済など)、設備の属性を入れる。訪日客には特に役立つ |
| ビジネスの説明・投稿 | 自動翻訳で表示されることがある(項目や端末による) | 機械翻訳で意味が通る、短く主語のはっきりした日本語で書く |
| クチコミ・返信 | 利用者の言語に翻訳され、「原文を表示」で元の言語も見られる | 外国語のクチコミを増やす。返信も翻訳されて読まれる |
機械翻訳で意味が通る日本語の書き方
- 1 文を短く: 「〜で、〜なので、〜です」とつなげず、文を切る
- 主語と目的語を省かない: 「おすすめです」より「当店のおすすめは手打ちそばです」
- 固有の言い回しを避ける: 「こだわりの」「絶品」「隠れ家的な」は訳しにくい。「国産のそば粉を使った手打ちそば」のように具体的に
- 数字で書く: 「駅からすぐ」より「○○駅東口から徒歩 3 分」
外国語の店名は GBP で併記できない
Google は、ビジネス名に同じ名前を 2 つの言語で繰り返すことを認めていません。看板に「○○ベーカリー ○○ Bakery」と両方書かれていても、GBP の名前はどちらか一方にします。
| × | ○ |
|---|---|
| ○○ベーカリー ○○ Bakery | ○○ベーカリー |
| 居酒屋○○ Izakaya ○○ | 居酒屋○○ |
| ○○寿司(Sushi ○○) | ○○寿司 |
「英語の名前を足せば訪日客に見つかる」と考えて足すと、ガイドライン違反で名前を書き換えられたり、繰り返すとプロフィールが停止されたりするおそれがあります。詳しくはビジネス名を参照してください。
代わりにできること
- 自社サイトに英語のページを作る: 店名の英語表記、英語の住所(例: 1-2-3 Shibuya, Shibuya-ku, Tokyo 150-0002)、営業時間、メニュー、予約の方法を載せます。GBP の Webサイトの URL は日本語のページのままでよく、英語のページへは日本語のページからリンクします
- Apple マップの代替名を使う: Apple Business では、表示名に別の言語向けの名前を追加できます(言語間で内容が矛盾しないことが条件)。詳しくはApple マップ(Apple Business)
- 海外の媒体に英語の店名で載せる: トリップアドバイザーなどでは、英語の店名・説明を載せられます
- 写真で伝える: 英語のメニュー、看板、入口の写真を GBP に載せると、訪日客が店を見つけやすくなります
外国語のクチコミ
なぜ役立つのか
GBP のクチコミは翻訳されて表示されますが、「原文を表示」で元の言語が分かります。元の言語が日本語ばかりだと、訪日客には「外国人はあまり来ない店」に見えます。いろいろな言語のクチコミがあると、来店の安心材料になります。
「英語のメニューがあった」「スタッフが英語で説明してくれた」「カードが使えた」といった、訪日客ならではの内容が書かれたクチコミは特に役立ちます。
集め方
- 会計のときに、英語(や中国語・韓国語)で書いたクチコミのお願いのカードを渡す: QR コードでクチコミの投稿画面を開けるようにします。日本語のカードの裏に外国語を載せる形でも構いません
- 観光客の多い時間帯のスタッフに、ひと言のお願いの英語を共有する: 「Thank you for visiting. We'd be happy if you could share your experience on Google Maps.」程度で十分です。「楽しめたら」のように、満足した人だけに頼む言い方は避けます
- 評価の高い投稿だけを頼まない: 「星 5 をお願いします」「高評価なら割引」は、日本の利用者と同じくガイドライン違反で、景品表示法の問題にもなりえます。依頼の方法はクチコミの依頼、ルールはクチコミのルールを参照してください
返信の仕方
- 投稿の言語で返信する: 英語のクチコミには英語で。翻訳ツールを使って構いませんが、長い文は避け、短く具体的に書きます
- 日本語を併記するかは店の方針で: 返信も利用者の言語に翻訳されるので、併記は必須ではありません。日本の利用者にも読ませたい内容なら、短い日本語を添えます
- テンプレートと個別の返信を使い分ける: 本文のない評価には、英語などのテンプレートで素早く返します。本文のあるクチコミは、短い高評価でもテンプレートを下書きにして、人が内容に触れたひと言を足して返します。料理名やスタッフの対応など具体的な内容や、不満が書かれたクチコミには、その内容に触れて返します
返信の基本はクチコミへの返信を参照してください。
海外の媒体
訪日客は国や地域によって使う媒体が違います。下の表は代表的な例で、実際にどれが役立つかは業種と客層で変わります。
| 媒体 | 主な利用者 | 向いている業種 | 店舗がやること |
|---|---|---|---|
| Googleマップ | ほぼすべての訪日客 | すべて | GBP を正確に。最優先 |
| トリップアドバイザー | 欧米・アジアの観光客 | 飲食、宿泊、観光施設、体験 | 無料でオーナー登録し、英語の情報と写真を載せる。クチコミに返信 |
| Booking.com、Expedia、Agoda | 世界の旅行者 | 宿泊 | 施設情報と住所・電話番号を GBP と一致させる |
| Klook、KKday | アジアの旅行者 | 体験・アクティビティ、一部の飲食 | 予約の窓口として検討 |
| Yelp | 米国の旅行者 | 飲食 | 店舗ページの情報を確認 |
| 食べログ・ぐるなびの多言語版 | 日本の店を探す訪日客 | 飲食 | 日本語の店舗情報を正確にしておく |
| Instagram、YouTube、TikTok | 旅行前に情報を集める人 | 飲食、美容、観光 | 店名と位置の分かる投稿。訪日客の投稿を紹介する場合は許可を取る |
| 大衆点評(Dianping)、小紅書(RED) | 中国本土の旅行者 | 飲食、美容、買い物 | 中国本土からの客が多い店は検討。中国本土では Google を使えないため、旅行前の情報収集はこれらで行われることが多いとされる |
| NAVER(地図・ブログ) | 韓国の旅行者 | 飲食、買い物 | 韓国からの客が多い店は、ブログでの言及を確認 |
海外の媒体のコツ
- NAP は日本語の正本に合わせる: 英語の住所を書く場合も、番地・建物名・電話番号の内容を正本と一致させます。電話番号は「+81-3-1234-5678」の形にします
- 全部に手を出さない: 客層を見て、上位 1〜2 つに絞ります。客の国籍は、会計のときの会話や、GBP のクチコミの元の言語から分かります
- SNS の投稿の特典に注意する: 「Instagram に投稿したらドリンク 1 杯サービス」のように、投稿と引き換えに特典を出す場合、投稿が店の広告と分からない形だとステルスマーケティング規制に触れるおそれがあります。特典を出すなら、投稿に「店から特典を受けた」ことが分かるよう案内します
業種ごとの注意
- 飲食: 英語(必要なら中国語・韓国語)のメニューの写真を GBP に載せます。アレルギー、ベジタリアン・ハラールへの対応は、事実に基づいて説明文や自社サイトに書きます。「ハラール対応」と書く場合は、根拠(認証の有無など)をはっきりさせます
- 宿泊: 予約サイトごとに施設名の英語表記がばらつきやすい業種です。英語の施設名を 1 つに決めて、全サイトでそろえます
- 美容: 「English OK」かどうかは、訪日客や在住外国人にとって大きな判断材料です。対応できる言語は、実際に対応できる範囲だけを書きます
- 医療: 厚生労働省と観光庁は、外国人患者を受け入れる医療機関のリストを作り、JNTO のサイトで多言語で公開しています。掲載を希望する医療機関は、都道府県の担当部署に問い合わせます(リストは年 2 回ほど更新)。GBP や自社サイトにも、対応できる言語と受付の方法を書きます
複数店舗の場合
- 観光地・空港・駅の近くの店舗と、住宅地の店舗では、訪日客の割合が大きく違います。外国語のクチコミの依頼カードや英語のメニューの写真は、訪日客の多い店舗から先に用意します
- 英語の店名・住所の表記ルールを本部で決めます。店舗ごとに「Shibuya store」「Shibuya branch」「Shibuya shop」とばらつかないようにします
- 外国語のクチコミへの返信のテンプレートを用意します。LocalBase のクチコミの返信テンプレートに英語の版を用意しておくと、店舗の担当者が返信しやすくなります
チェック項目
- GBP の店名に、外国語の名前を併記していない
- カテゴリ・営業時間・属性(支払い方法など)が正確
- 説明文が、機械翻訳で意味が通る短い日本語で書かれている
- 英語のメニューや看板の写真を載せている
- 自社サイトに英語のページ(店名・住所・営業時間・メニュー・予約方法)がある
- 外国語のクチコミをお願いする方法(カード・ひと言)がある
- 外国語のクチコミに、投稿の言語で返信している
- 客層に合った海外の媒体 1〜2 つに、正しい情報が載っている
よくある質問
Q. GBP の説明文を英語で書いたほうがよいですか? Googleマップは説明文などを利用者の言語に翻訳して表示することがあるため、まずは日本の利用者に向けた日本語を正確に書くのが基本です。日本語と英語を並べて書くと、日本の利用者にとっても読みにくくなります。英語の詳しい情報は、自社サイトの英語のページに載せてください。
Q. 英語の店名を GBP に入れたら訪日客に見つかりやすくなりますか? 同じ名前を 2 つの言語で併記するのはガイドライン違反です。看板や公式サイトで英語の名前だけを使っている店でない限り、日本語の名前にします。
Q. 外国語のクチコミの翻訳が間違っています。 翻訳は Google の自動翻訳で、店舗が直すことはできません。返信では、誤解されやすい点(料金、予約の要否など)を簡潔に補足します。
Q. 中国本土からの客が多いのですが、Google 以外に何をすればよいですか? 中国本土では Google のサービスを使えないため、旅行前の情報収集は大衆点評や小紅書などで行われることが多いとされています。日本に来てからは Googleマップを使う人もいますが、客層が中国本土中心なら、これらの媒体での掲載や言及も検討してください。
出典
- 訪日外客数(2025 年 12 月および年間推計値)(日本政府観光局)
- 訪日客の99%が「Googleマップ」を利用(訪日ラボ、Payke の調査、2025 年 7 月)
- Google に掲載するビジネス情報のガイドライン(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
- Apple Businessで所在地の属性を構成する(Apple Business ユーザガイド)
- 外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめたリスト(厚生労働省)
- ステルスマーケティングに関するQ&A(消費者庁)
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