GBP のビジネス拠点グループと権限の設計|本部・店長・業者に渡す役割と、退職・異動の手順
結論: 全店舗を、本部の会社アカウントがメインのオーナーのビジネス拠点グループに入れます。グループのオーナー・管理者はグループ内のすべてのプロフィールを追加・編集・削除できるため、グループの権限は本部の担当者だけにし、店長・エリアマネージャー・業者には店舗ごとのプロフィールの「管理者」を渡します。退職・異動・契約終了のたびに権限を外し、毎月 1 回ユーザーの一覧を見直します。
オーナーと管理者の違い、追加・削除の手順、新しく加わった人の 7 日間の制限はオーナーと管理者にまとめています。
管理のしかたは 3 種類
| 管理のしかた | 向いている場合 | 注意 |
|---|---|---|
| 個人の Google アカウントで、プロフィールを 1 つずつ管理する | 1〜2 店舗 | 店舗が増えると、誰がどのプロフィールを持っているか分からなくなる |
| ビジネス拠点グループ | 2 店舗以上。チェーン・多店舗の基本 | グループの権限を持つ人は、グループ内の全店を触れる |
| 代理店の「組織」アカウント(ユーザー グループ・ビジネス拠点グループ) | MEO 業者・広告代理店が、複数の会社の店舗を管理する | 店舗側の会社が使うものではない。組織は 1 社に 1 つ |
Google はビジネス拠点グループを、プロフィールを入れておく共有フォルダのようなものと説明しています。グループにユーザーを追加すると、その人はグループ内の既存のプロフィールと、今後追加するプロフィールのすべてにアクセスできるようになります。
グループの権限は強い
見落とされやすいのが、グループの権限とプロフィールの権限の違いです。Google のヘルプによると、権限は次のとおりです。
| 操作 | グループのオーナー | グループの管理者 | プロフィールの管理者 |
|---|---|---|---|
| グループのユーザーの追加・削除 | ○ | × | × |
| グループの削除、グループのオーナー権限の譲渡 | ○ | × | × |
| グループ内のプロフィールの追加・編集 | ○ | ○ | 担当のプロフィールの編集だけ |
| グループ内のプロフィールの削除 | ○ | ○ | × |
| プロフィールを別のグループへ移す | ○ | ○ | × |
プロフィール単位の「管理者」はプロフィールを削除できませんが、グループの管理者は、グループ内のすべてのプロフィールを削除でき、別のグループへ移すこともできます。業者や店長を「グループの管理者」にすると、全店のプロフィールを消したり持ち出したりできる権限を渡すことになります。
そのため、次のように分けます。
| 立場 | 付ける場所 | 役割 |
|---|---|---|
| 本部の会社アカウント(GBP 専用。普段の作業には使わない) | グループ | メインのオーナー |
| 経営者・本部の責任者 | グループ | オーナー(予備) |
| 本部の担当者 | グループ | 管理者 |
| エリアマネージャー | 担当店舗のプロフィール(1 つずつ) | 管理者 |
| 店長・副店長 | 自店舗のプロフィール | 管理者 |
| MEO 業者・制作会社 | 担当店舗のプロフィール。全店を任せる場合でも、まずはプロフィール単位を検討する | 管理者 |
店舗が 100 を超えると、エリアマネージャーを 1 店舗ずつ追加するのは手間です。その場合は、エリアやブランドごとにグループを分け、エリアマネージャーをそのグループの管理者にする方法もあります。ただし、削除の権限まで渡すことになるので、信頼できる社員に限ります。
Google グループと共有アカウントは使えない
- Google グループ(メーリングリストのアドレス)は、プロフィールにもビジネス拠点グループのオーナーにも追加できません
- 「gbp@会社のドメイン」のような共有アカウントに全員でログインする運用は、誰が何を変えたか分からず、退職者がパスワードを知ったまま残ります。1 人 1 アカウントで追加します。会社のアカウントは、メインのオーナーとして保管するだけに使います
グループの作り方と、プロフィールの移し方
グループを作る
- 本部の会社アカウントで、ビジネス プロフィール マネージャーにログインする(プロフィールを 2 つ以上管理していると、一覧の画面になります)
- 右上の[グループを作成]を選ぶ
- グループ名を入れて作成する
グループ名は社内で分かればよく、検索には表示されません。「○○珈琲(直営)」「○○珈琲(加盟店)」のように、管理の単位が分かる名前にします。
既存のプロフィールをグループに移す
- 移したいプロフィールのチェックボックスを選ぶ
- [操作]→[ビジネスの移管]を選ぶ
- 移し先のグループを選ぶ
移せるのは、自分がオーナーか管理者になっているグループだけです。店長の個人アカウントがオーナーのプロフィールは、先に本部の会社アカウントをオーナーとして追加してもらい、会社のアカウントから移します。
グループへの移管は管理画面の中の整理なので、クチコミ・写真・投稿はそのまま残ります。
グループをいくつ作るか
Google は、グループはビジネスやブランドごとに 1 つにとどめることを勧めています。担当者がブランドや部署ごとに違う場合は複数作れます。
| 分け方 | 利点 | 欠点 | 向いている場合 |
|---|---|---|---|
| 1 ブランドで 1 グループ | 1 つの画面とスプレッドシートで全店を扱える | グループの権限を持つ人は全店を触れる | ほとんどのチェーン |
| ブランド・業態ごと | 担当者がブランドごとに違っても、見える範囲を分けられる | 一括更新のスプレッドシートもグループごとに分かれる | 複数ブランドを持つ会社 |
| 直営と加盟店で分ける | 加盟店の担当者に直営店を見せない | 全店共通の変更が 2 回になる | フランチャイズ(フランチャイズ) |
| エリアごと | エリアマネージャーをグループの管理者にできる | グループが増えるほど一括更新の手間が増える | 100 店舗を超え、エリアの担当が明確な場合 |
1 つのスプレッドシートを複数のグループに読み込むことはできず、複数のグループのデータを 1 つのスプレッドシートで扱うこともできません。エリアや業態で絞り込みたいだけなら、グループを分けずにラベルを使います(統一ルール)。
グループを削除できるのはオーナーだけで、中のプロフィールをすべて削除するか別のグループに移してからでないと削除できません。削除したグループは元に戻せません。
代理店の「組織」アカウントとの関係
MEO 業者や広告代理店は、代理店向けの「組織」アカウントを作り、その中のユーザー グループやビジネス拠点グループで、複数の会社の店舗を管理できます。組織は代理店のドメインのメールアドレスで登録し、1 社に 1 つです。
店舗側の会社にとって大事なのは、業者が組織から管理していても、オーナーは自社に残すことです。
- 業者には、自社のグループやプロフィールの「管理者」として、業者側のアカウント(または業者のユーザー グループ)を追加する
- 業者の組織の中に自社の店舗のプロフィールを移させない。移すとオーナーが業者側になり、解約のときに取り戻す手間がかかる
- 解約したら、業者のアカウントとユーザー グループを外す。外しても、業者が入れた情報・投稿・返信は消えない
Google も、代理人(業者)はビジネスのオーナーにプロフィールを所有してもらい、自分は管理者として追加してもらうよう求めています。業者の選び方はMEO 業者の選び方を参照してください。
退職・異動・契約終了の手順
店舗が多いと、人の出入りは毎月のように起きます。人事の手続きに GBP の作業を入れておかないと、外し忘れが積み上がります。
| できごと | GBP でやること | 担当 |
|---|---|---|
| 店長の着任 | 自店舗のプロフィールに管理者で追加する(会社のメールアドレスで) | 本部 |
| 店長の異動 | 前の店舗から外し、新しい店舗に追加する。通知の受け取り先も切り替える | 本部 |
| 店長・スタッフの退職 | 最終出勤日までに外す。その人がメインのオーナーなら、7 日の制限を考えて 2 週間前までに譲渡してもらう | 本部(人事から連絡) |
| エリアの担当替え | 担当店舗の付け替え。グループの管理者なら、新しい担当を追加してから前の担当を外す | 本部 |
| 本部の担当者の退職 | グループの権限を外す。メインのオーナーが個人のアカウントになっていないか確かめる | 本部の責任者 |
| 業者との契約終了 | 業者のアカウント・ユーザー グループを外す。業者が作ったプロフィールが残っていないか検索で確かめる | 本部 |
外し忘れを防ぐ工夫
- 会社が管理する Google アカウントで追加する: 個人の Gmail で追加すると、退職後もその人のアカウントは生き続けます。会社のメールアドレスでも、本人が個人で作った Google アカウントは会社では止められないので、Google Workspace など会社が管理するアカウントを使います。会社が管理するアカウントなら、退職でアカウントを止めたときにアクセスもできなくなります。ただし、それだけで GBP のユーザーの一覧から消えるわけではないので、外す作業は別に必要です
- 人事の退職チェックリストに入れる: 「GBP の権限を外した」を、PC やメールの停止と同じ欄に入れます
- 毎月 1 回、ユーザーの一覧を見る: グループとプロフィールのそれぞれで、知らない人・退職者・契約の終わった業者がいないかを確かめます。店舗数が多ければ、四半期ごとに全店、毎月は新店と担当替えのあった店舗、と分けても構いません
通知が誰にも届いていない
Google からの通知(新しいクチコミ、修正の提案、Google による変更、確認の要求)は、ユーザーごとの設定で届きます。保管用の会社アカウントにしか届かず、誰も見ていなかった、という状態がよくあります。
- 本部の担当者のアカウントで、修正の提案・Google による変更・確認の通知を受け取る
- 店長のアカウントで、自店舗のクチコミの通知を受け取る
- 異動のたびに、通知の設定も引き継ぐ
修正の提案は 2026 年 9 月から、オーナーが 4 日以内に承認・拒否できるようになりました。期限内に処理する担当を本部に決めておきます(修正の提案への対処)。
よくある失敗と立て直し
店長が個人のアカウントで作ったプロフィールが散らばっている 1 店舗ずつ、店長に本部の会社アカウントをオーナーとして追加してもらい、会社のアカウントをメインのオーナーにしてから、グループに移します。追加から 7 日ほどはメインのオーナーの譲渡ができないので、全店で一斉に依頼し、1〜2 週間で終える計画にします。連絡の取れない元店長が持っている店舗は、オーナー権限の取り戻し方の手順を使います。
業者の組織に全店が入ったまま解約することになった 解約の前に、自社のグループへ移してもらうよう依頼します。業者がオーナーでなければ、業者の協力がなくても自社側で外せます。業者がオーナーになっている場合の取り戻し方はオーナー権限の取り戻し方の「MEO 業者が持っている」を参照してください。
グループのメインのオーナーが退職した担当者の個人アカウントだった その人に連絡が取れるうちに、会社のアカウントへ譲渡してもらいます。連絡が取れない場合も、グループの別のオーナーがいれば、そのオーナーが新しいオーナーを追加できます。オーナーが 1 人もいない状態を作らないよう、予備のオーナー(経営者か本部の責任者)を必ず置きます。
エリアマネージャーをグループのオーナーにしていた オーナーはユーザーの追加・削除もできるので、誰かを外して自分だけが残ることもできてしまいます。グループのオーナーは本部の会社アカウントと責任者だけにし、エリアマネージャーは管理者か、担当店舗のプロフィールの管理者に変えます。
LocalBase では、店長やエリアマネージャーに LocalBase のアカウントを発行し、投稿・写真・クチコミ返信を本部の承認制にできるため、GBP の権限を広げずに店舗に作業を任せる使い方ができます。
チェック項目
- 全店舗が、本部の会社アカウントがメインのオーナーのグループに入っている
- グループのオーナーは、会社アカウントと本部の責任者だけ
- グループの管理者は、本部の担当者だけ(業者・店長はプロフィール単位)
- 店長・業者は会社のメールアドレス(業者は業者のアカウント)で、1 人 1 アカウントで追加している
- 業者の組織の中に、自社の店舗のプロフィールが入っていない
- 人事の退職・異動の手続きに、GBP の権限の作業が入っている
- 毎月 1 回、グループとプロフィールのユーザーの一覧を見ている
- 修正の提案・Google による変更の通知が、処理する担当者に届いている
よくある質問
Q. グループの管理者と、プロフィールの管理者の両方に入れる必要がありますか? いりません。グループの管理者は、グループ内のすべてのプロフィールにアクセスできます。プロフィール単位の管理者は、担当の店舗だけを任せたい人に使います。
Q. グループを分けると、順位や表示に影響しますか? 影響しません。グループは管理画面の中の整理のしかたで、検索には表示されません。
Q. 店長に、自店舗以外のクチコミも見せたいのですが。 権限を広げなくても、Googleマップでほかの店舗のプロフィールを開けばクチコミは読めます。返信の例として共有したいなら、本部が良い返信をまとめて配る方が早く、権限の管理も楽です。
Q. 業者が「組織アカウントに移してほしい」と言っています。 移すと、業者がオーナーの立場になります。業者の組織から管理したいだけなら、自社のグループに業者のアカウントを管理者として追加すれば足ります。
出典
- ビジネス拠点グループを作成、管理する(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
- ビジネス拠点グループのオーナーと管理者を管理する(同)
- ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する(同)
- 代理店による組織の管理について(同)
- 代理店のユーザー グループを管理する(同)
- サードパーティと連携してビジネス プロフィールを管理するためのヒント(同)
- 競合するアカウントはどのようにして作成されるか(Google アカウント ヘルプ。会社のメールアドレスで作られた個人のアカウント)
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