MEO 業者の選び方と契約トラブル|悪質な手口・成功報酬の落とし穴・Google を名乗る営業電話

最終更新 LocalBase 編集部監修: 寺師 岳見

結論: Google のマップの順位を保証できる人はいません。「上位表示を保証」「Google 公認」「地域で 1 店舗だけ」をうたう業者とは契約しないでください。業者に頼むときは、メインのオーナーは自社で持ち、業者は「管理者」で招待する、施策の中身とガイドラインの順守を契約書に書く、解約の条件と権限の返し方を先に決める、の 3 つを守ります。業者が行った違反の施策でも、店舗のプロフィールが制限や停止を受けます(業者のアカウントも停止の対象です)。

業者に頼む前に知っておくこと

GBP は無料で、店舗が自分で管理できます。業者に頼む価値があるのは、手間や専門知識を買う場合です。

業者に任せてよいこと 店舗にしかできないこと
カテゴリ・サービス・属性の初期設定と見直し 来店した人へのクチコミの依頼
写真の撮影、投稿の作成と予約 低評価の原因になっている接客・サービスの改善
決めた地点・キーワードでの順位の計測と報告 看板・許可・公式サイトの名義をそろえること
ガイドラインの点検、競合の調査とスパムの報告 オーナーとしての権限の管理
自社サイトの店舗ページの改善

クチコミを業者が「増やす」ことはできません。 業者がクチコミを増やすと言うなら、それは店舗が依頼する仕組みを作る支援か、そうでなければ違反(サクラ・代行投稿)です。

Google 自身も、サードパーティを使うときの注意として、上位表示の約束は不可能であること、Google の社員を名乗る相手には名前を確かめ、「@google.com」のアカウントからメールを送るよう求めること(できなければ社員ではない可能性があること)、店舗の許可なくビジネス情報を削除したりアクセスしたりはできないこと、契約の前にサービスと費用が明記された正式な契約書の写しを受け取ることを挙げています。

悪質な業者のよくある手口

次の手口は、LocalBase のセミナーや相談に寄せられた事例と、国内で報じられた事例によるものです。

営業の段階

手口 からくり
「地域で 1 店舗だけの対応」「治療院専門」 競合の少ない郊外の店や業種を選んでいる。競合が 5 店しかなければ 3 位以内は簡単で、もともと上位に出ていることも多い
「3 位以内を保証」「上位表示率 98%」 順位は Google が決めるもので、保証はできない。検索語や計測の場所を業者に都合よく選べば、どんな数字でも作れる
「Google 公認」「Google の正規代理店」「Google から委託」 GBP の管理に、Google が認定する代理店の制度はない。Google を名乗ることはサードパーティ ポリシーで禁止されている
「このままだと情報が消える」「いたずらされますよ」 不安をあおる。国内では、営業を断った飲食店が、ピンを約 500m 離れた山中に移され、「閉業」にされたと報じられた例がある(2022 年)
位置を偽装した画面で順位を見せる パソコンのブラウザは位置情報を偽装できる。店舗のすぐ近くで検索した画面を見せれば、たいてい上位に出ている

施策の中身

手口 店舗への影響
名前に地名・キーワードを足す 一時的に順位が上がるが、書き換えや停止で一度に失う。業者は「削除されないようリスクヘッジしているので大丈夫」と言うが、処分を受けるのは店舗
サービス・商品・説明・投稿にキーワードを詰め込む 効果は弱く、却下・削除の原因になる
サクラのクチコミ、クチコミの代行投稿 まとめて削除され、警告が表示される。見返りを伴えば景品表示法の問題にもなる
満足度アンケートで高評価の人だけを Google に誘導する仕組み 良い評価だけを集める行為としてポリシー違反
契約中だけ外部リンクを張る、業者のドメインに店舗ページを作って GBP からリンクさせる 解約で外され、順位が下がる。それを理由に解約を引き止める
業者名義の計測用の電話番号を設定する 解約すると番号が使えなくなり、電話がつながらない。ほかの掲載先と電話番号が食い違う

契約と解約

手口 実際のところ
検索語を複数決め、1 つでも上位なら課金 簡単な語で上位になれば、肝心の語で上位でなくても毎日課金される
上位になった検索語は、後から変えられない契約 一度上位になった語は上位が続きやすい。集客につながらない語でも、契約期間中ずっと課金される
12 か月などの縛りと自動更新、残りの期間の全額の違約金 解約の予告期間(数か月前)を過ぎると、さらに 1 年延びる
「支払いが遅れたら GBP を削除する」という条項 業者に店舗のビジネス情報を消す権利はない。途中の解約を防ぐための条項であることがほとんど
業者がオーナー権限を握り、店舗を管理から外す 業者が「オーナー」の権限を持つと、ほかのユーザーを外したり、自社の別のアカウントを加えたりでき、プロフィールの削除もできる。業者が作ったプロフィールで業者がメインのオーナーなら、店舗は業者の許可なしには管理できない
解約を申し出ると「弁護士に相談します」「代理人を立てます」 違反の施策をしていたことを棚に上げて、訴訟をちらつかせる。そうした言葉に慣れている業者は要注意

クチコミの削除代行

「低評価を消します」という業者には特に注意が必要です。

  • 弁護士でない者が、報酬を得て削除の交渉や手続きを代行することは、弁護士法に違反するおそれがあります(非弁行為)
  • 業者自身が悪いクチコミを書き込み、そのあと削除を売り込む自作自演の手口が、病院・クリニックを主な標的として報じられています
  • 「削除率○%」「削除 1 件ごとの成功報酬」をうたう業者は避けてください

自分でできる報告の手順はクチコミの削除にまとめています。

成功報酬型の落とし穴

成功報酬型は「上位に出た日だけ払う」ので損がないように見えますが、課金の条件の決め方で、実態はまったく変わります。

決め方 業者に有利な設定 店舗が求めるべき設定
検索語 業者が選ぶ。検索の少ない語、店名や地名を含む語、もともと上位の語 店舗が選ぶ。パフォーマンスの「検索語句」で実際に検索されている語
計測の場所 店舗の前、または業者が指定する 1 地点 顧客が検索しそうな地点(最寄り駅、商圏の住宅地など)を店舗と一緒に決め、毎回同じ地点で測る(順位の計測)
計測の時刻 示さない。自店だけが営業している時間に測って高く見せる 毎回同じ時刻で、自店も競合も営業している時間帯。何時に測ったかを報告に書く
課金の条件 複数の語のどれか 1 つが上位なら課金 語ごとに課金し、上限額を決める
検索語の変更 上位になった語は変更不可 店舗の判断でいつでも変更できる

仮の例: 検索語 1 つあたり日額 1,000 円で 3 語を契約し、3 語とも店舗の前の地点では毎日 3 位以内に出るとすると、月 9 万円です。ところが、その 3 語が「店名 + 地名」のような、もともと上位に出る語なら、業者は何もしなくても課金できます。

成功報酬型には、もう 1 つ根本的な問題があります。業者に「手段を選ばず順位を上げる」動機が生まれることです。名前へのキーワードの追加は、最も手早く順位を上げる方法なので、成功報酬型の業者ほど使いたがります。

また、順位が上がっても来店が増えるとは限りません。競合の少ない地域で 5 位から 3 位に上がっても、集客はほとんど変わらないことがあります。成果は順位ではなく、パフォーマンスの通話・ルート・Web サイトのクリックと、実際の予約・来店で測ります。

オーナー権限を渡す危険

GBP の権限には、次の 3 つがあります。

権限 できること 渡す相手
メインのオーナー すべて。1 つのプロフィールに 1 人だけで、メインのオーナーの権限を譲る操作ができる 自社(会社のメールアドレスのアカウント)
オーナー 情報の管理に加え、ユーザーの追加と削除、プロフィールの削除 社内の責任者
管理者 情報の編集(閉業の設定を含む)、写真・投稿、クチコミへの返信。ユーザーの追加と削除、プロフィールの削除はできない 業者、店長
  • 業者は「管理者」で招待します。 管理者は、ユーザーの追加と削除、プロフィールの削除ができないので、業者がほかのユーザーを外したり、プロフィールを消したりすることは仕組みの上でできません。外したいときは、メインのオーナーがすぐに外せます。ただし管理者も情報の編集はできるので、権限を渡したあとも変更の内容は見直しで確かめます
  • Google アカウントのパスワードを業者に教えない。Google のサードパーティ ポリシーでも、顧客とパスワードを共有しないよう定めています
  • 業者がプロフィールを新しく作る場合は、完成後にメインのオーナーを店舗に移すことを契約に入れます。Google は、業者がプロフィールを作ったら、オーナー権限を顧客に譲り、業者は管理者として対応するよう定めています
  • 業者のアカウントが Google に制限されると、そのアカウントが管理するプロフィールが停止されることがあります。多くの店舗を同じアカウントで管理している業者だと、他店の違反の巻き添えになります

契約前のチェックリスト

  • 会社が実在する(法人番号公表サイトで商号と所在地を確かめた。固定電話と所在地がある)
  • 「上位表示の保証」「Google 公認」をうたっていない
  • 施策の中身(何を、いつ、どれだけ)が書面になっている
  • 名前・住所・クチコミで、Google のガイドラインに反することをしないと契約書に書いてある
  • 権限は「管理者」で、メインのオーナーは自社のまま
  • 業者がプロフィールを作る場合、完成後にメインのオーナーを移すと書いてある
  • 成功報酬なら、検索語は店舗が選び、いつでも変えられる。計測の地点・時刻・方法と、課金の上限が決まっている
  • 契約期間、自動更新の有無、解約の予告期間、違約金が明記されている
  • 解約時の権限の返し方と期限、業者が設定した電話番号・URL・リンクの扱いが決まっている
  • 業者が撮った写真や作った投稿を、解約後も使えるか決まっている
  • 費用が明記され、GBP 自体は無料であることの説明がある
  • 報告に、GBP のパフォーマンスの数値がそのまま、ほかの媒体と分けて載る
  • 業務を再委託するか、するなら誰にか分かる
  • クチコミの代行投稿・削除代行をしない

Google のサードパーティ ポリシーは、業者に、変更のたびに顧客に知らせること、管理の費用を書面で事前に知らせること、パフォーマンスのデータを正確に、ほかの媒体と分けて報告すること、契約の終了の通知から 7 営業日以内に管理権限を顧客に返すことを求めています。契約書がこれに沿っているかを見れば、手早く判断できます。

解約の手順と注意

  1. 契約書の解約の条項を確かめる: 予告期間、違約金、自動更新の時期
  2. 今の状態を記録する: 名前・カテゴリ・サービス・説明・電話番号・Web サイトの URL・ユーザーの一覧を画面ごと保存する
  3. メインのオーナーが自社か確かめる: 業者がメインのオーナーなら、先に移譲を求める(下の「業者が権限を返さないとき」)
  4. 業者の権限を外してから交渉する: 「ビジネス プロフィールの設定」の「ユーザーとアクセス権」から業者のアカウントを外します。業者のアカウントを外しても、それまでの施策の内容が元に戻ることはありません。外してから交渉すれば、プロフィールを消されたり書き換えられたりする心配がなくなります
  5. 業者が入れたものを直す: 名前のキーワード、業者のドメインの URL、業者名義の電話番号。名前・URL・電話番号は、数日ずつ空けて直します
  6. 解約の申し出は記録に残る形で: メールや書面で送り、日付を残します。こじれたら内容証明郵便を使います
  7. 解約の後、順位と表示を確かめる: 業者が外部のリンクを外して順位が下がることがあります。自社サイトの店舗ページを整えて補います

業者が権限を返さないとき

  • 契約の終了を通知したうえで、Google のサードパーティ ポリシー(7 営業日以内の返却)を示して返却を求める
  • 返さない場合は、Google の「ビジネス プロフィールを管理しているサードパーティに対する申し立て」のフォームで報告する
  • 自分でプロフィールのオーナー権限をリクエストする。今のオーナーが 3 日以内に返事をしなければ、自分でオーナー確認を進められることがあります。拒否されたら再審査を請求できます
  • 新しくプロフィールを作り直さない。作り直すと重複になり、クチコミも失います

法的な相談先

  • 店舗の事業のための契約(事業者どうしの契約)には、原則として特定商取引法のクーリング・オフは適用されず、消費者契約法も適用されません。ただし、「営業のため」に当たるかは、契約した人の実態などから総合的に判断されるとされ、小規模な個人事業主では適用の余地が議論になることもあります
  • 業者の説明が事実と違っていた(上位を保証された、Google 公認と言われた)なら、民法の詐欺や錯誤による取消し、契約違反による解除を主張できる可能性があります
  • 相談先は、弁護士、地域の商工会議所・商工会です。個人事業主の場合、消費生活センター(消費者ホットライン 188)が相談に乗ってくれることもあります
  • 削除の条項や違約金の扱いは契約の内容によって変わります。このページは法的な助言ではありません。具体的な判断は弁護士に相談してください

Google を名乗る営業電話

Google からの本物の電話

Google は、ビジネス プロフィールに登録された電話番号に、自動音声の電話やメッセージで連絡することがあります。

  • 営業時間や、商品・サービスを扱っているかの確認
  • 利用者の代わりに、予約や在庫・料金の問い合わせをする

本物の電話は、最初に Google からの電話であることと、連絡の理由を告げます。支払いの情報を尋ねたり、優遇を約束したりすることはなく、サービスへの登録や支払い、個人情報を求めることもありません。 2021 年には、Google が 03-4567-0700 から自動音声で営業時間を確かめる電話をかけ、怪しい電話だと話題になったあとで Google が公式に説明した例があります。

自動の確認の電話を止めたいときは、電話の中で止めるよう伝えるか、プロフィールの詳細設定で切り替えられます。

偽物の見分け方

偽物によくある言い方 実際のところ
「Google の代理店です」「Google マップの管理部です」 業者が Google に見えるように名乗っている
「このままだと掲載が削除されます」「オーナー確認の期限が切れます」 不安をあおって契約させる
「確認のため、届いた番号(コード)を教えてください」 オーナー確認や Google アカウントの確認コードを聞き出し、プロフィールやアカウントを乗っ取る手口。絶対に伝えない
「月額○円で上位に表示されます」 Google は、マップの自然な順位をお金で上げるサービスを電話で売らない
「写真を撮らせてください。Google マップに載せます」 写真撮影を口実にした営業

対処

  1. 会社名・担当者名・所在地・折り返しの番号を聞く。答えなければ切る
  2. 確認コード、パスワード、支払いの情報は伝えない
  3. その場で契約しない。「社内で確認します」と切る
  4. Google を名乗る業者は、Google の「ビジネス プロフィールを管理しているサードパーティに対する申し立て」のフォームで報告する。会社名、連絡先、電話のあとに届いたメールや書類を添える
  5. 電話に出るのは店長とは限らないので、店舗のスタッフにも、電話を受けたときの対応を共有する

FAX や郵便で「Google ビジネス プロフィールの更新のお知らせ」のような書類が届くこともあります。Google からの連絡は、管理画面とメールで確かめられます。書類に書かれた番号に電話する前に、管理画面を開いてください。

良い業者の見分け方

  • ガイドラインの違反になる施策と、その理由を自分から説明する
  • 順位を保証しない。計測の地点・時刻・検索語を示して、同じ条件で記録した順位の推移を報告する
  • 「管理者」の権限で十分だと言う
  • 費用と施策の中身が明確で、短い期間で解約できる
  • クチコミの依頼のように、店舗にやってもらうことをはっきり伝える
  • 報告の中心が順位だけでなく、通話・ルート・予約などの数字になっている

複数店舗の場合

  • メインのオーナーは、全店舗とも本部の会社のアカウントにそろえます。店舗ごとに業者や店長がオーナーになっていると、解約や異動のたびに権限の回収が必要になります
  • 業者は、担当する店舗だけに管理者として招待します。ビジネス グループ全体の権限は渡しません
  • 四半期の見直しで、全店舗のユーザーの一覧を確かめ、使っていない業者・退職者のアカウントを外します
  • LocalBase では、店長などに発行したアカウントからの投稿・写真・クチコミ返信を本部の承認制にでき、外部の担当者の操作も公開前に確かめられます

よくある質問

Q. 毎日のように MEO の営業電話がかかってきます。 多くの業者がマップの店舗情報から電話番号を集めて、順番にかけています。きっぱり断り、会社名を記録しておきます。Google を名乗るなら、Google に報告できます。

Q. 業者を外したら、順位が下がりませんか? 業者のアカウントを外しても、プロフィールの内容は変わりません。下がるとすれば、業者が外部のリンクを外した場合や、業者が入れた違反を直した場合です。違反で得ていた順位は、いずれ失う順位です。

Q. 契約中の業者が名前にキーワードを入れていました。 まず業者の権限を「管理者」にそろえ(オーナーなら外す)、名前を看板どおりに戻します。そのうえで、ガイドラインに反する施策を理由に、契約の見直しや解約を求めます。

Q. 業者に作ってもらったプロフィールで、業者がオーナーになっています。 契約を確かめ、メインのオーナーの移譲を求めてください。Google のポリシーでも、業者はプロフィールを作ったらオーナー権限を顧客に譲ることになっています。

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