複数店舗の口コミ返信の体制|本部と店舗の分担、振り分けのルール、返信の期限の決め方
結論: 返信は店舗が書き、本部がルール・テンプレート・確認を受け持つ分担が、速さと質の両立に向いています。クチコミを種類ごとに「誰が書くか」「本部の確認が要るか」「何時間以内か」の表にして全店に配り、本部の承認にも期限と代理を決めます。自動返信は本文のない評価(星だけ)だけに使い、本文のあるクチコミは星の数にかかわらず人が読んで返します。
返信の書き方そのもの(低評価への返し方、ケース別の判断、テンプレートの作り方)は返信と返信の例文集にあります。
体制の 3 つの型
| 型 | 書く人 | 利点 | 欠点 | 向いている場合 |
|---|---|---|---|---|
| 店舗完結 | 店長がすべて | 速い。内容が具体的 | 店舗ごとに質がばらつく。低評価への反論や個人情報の書き込みが起きやすい | 店長の裁量が大きい少数の店舗 |
| 本部一括 | 本部の担当がすべて | 言葉づかいがそろう。規制への配慮が行き届く | 現場の事情が分からず、内容に触れない返信になりがち。件数が増えると遅れる | 店舗数が少なく、クチコミの件数も少ない場合 |
| 分担 | 店舗が書き、本部が一部を確認 | 速さと質を両立しやすい | 振り分けのルールと承認の期限を決めないと、承認待ちで止まる | ほとんどのチェーン |
GBP の返信は、書いた人の個人名ではなく企業からの返信として表示されます。誰が書いても同じ「店」の声として読まれるので、店舗が書く場合も、言葉づかいのルールは全店でそろえる必要があります。
振り分けのルール
クチコミの種類ごとに、書く人・確認・期限を 1 枚の表にして全店に配ります。期限は、返信の目安(48 時間以内、低評価は 24 時間以内に本部が確認)に合わせた例です。
| クチコミの種類 | 書く人 | 本部の確認 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 本文のない評価(星だけ) | 自動返信(本部が作ったテンプレート) | テンプレートを作るときだけ | 自動 |
| 本文のある星 4〜5 | 店舗 | 不要 | 48 時間以内 |
| 本文のある星 3 | 店舗 | 不満が書かれていれば必要 | 48 時間以内 |
| 本文のある星 1〜2 | 店舗が下書き | 必要 | 本部の確認は 24 時間以内、公開は 48 時間以内 |
| 健康被害・異物・衛生・けが・事故 | 本部(品質・安全の担当と一緒に) | 必要。事実の確認を先に | 当日中に方針を決める。公開の返信は事実が分かってから短く |
| 医療・法律・お金(診療の内容、契約、返金) | 本部 | 必要。規制や法務の確認 | 48 時間以内 |
| スタッフの名前が書かれている(称賛) | 店舗 | 不要。返信に名前を繰り返すかは本人の同意で決める | 48 時間以内 |
| スタッフの名前が書かれている(苦情) | 店舗が下書き | 必要。人事の対応と分けて考える | 48 時間以内 |
| 差別・脅迫・個人情報・明らかな虚偽 | 本部 | 必要 | 返信の前に削除の申し出を検討 |
| 別の店舗のことが書かれている | 本部 | 必要 | 48 時間以内。正しい店舗の窓口を案内する |
| SNS や報道で話題になっている | 本部(広報) | 必要 | 広報の方針に合わせる |
この表で大事なのは、本部に回すものを限定することです。全件を本部の承認にすると、承認の担当が休んだ日に全店の返信が止まります。星の高いクチコミへのお礼まで承認待ちにする必要はありません。
本部の承認にも期限を付ける
- 「申請から 24 時間以内に承認か差し戻し」のように、本部側の期限を決める
- 承認の担当を 2 人以上にし、休日・夜間の当番を決める
- 差し戻すときは、直す点を具体的に書く(「表現を柔らかく」ではなく「『そのような事実はございません』を削除し、確認した内容を書く」)
- 承認待ちの件数と、承認までの時間を毎月見る。滞っているなら、本部に回す種類を見直す
LocalBase では、店長などのアカウントからのクチコミ返信を本部の承認制にでき、星だけの評価にはテンプレートで自動返信し、本文のあるクチコミには自動で返信しない設定で運用できます。
本部が用意するもの
言葉づかいのルール
テンプレートの前に、全店で守る書き方の決まりを 1 枚にします。
| 決めること | 例 |
|---|---|
| 書き出しと結び | 「○○珈琲 新宿東口店です。」で始め、「またのご来店をお待ちしております。」で締める |
| 自分たちの呼び方 | 「当店」(「弊社」「私ども」は使わない) |
| 名乗り | 店名まで。スタッフの個人名は書かない(本人が望む場合を除く) |
| 書かないこと | 来店日時・注文内容・同席者など、書いた人を特定できること。他の客への言及。値引きや返金の約束 |
| 業種の規制 | 医療・美容などでは、効果を約束する表現、体験談を広告として使う表現を書かない |
| 連絡先の案内 | 低評価には、店舗の電話番号か問い合わせ窓口を書く(全店共通の窓口がある場合はそちら) |
テンプレートの持ち方
- 本部が原本を持ち、店舗ごとに一言を足す: 店名、最寄り駅、季節のメニューなど、店舗ごとに変える部分だけを店舗に任せます
- 本文のない評価のテンプレートは、星の段階ごとに 2〜3 通り: 同じ文面が並ぶと機械的に見えます
- 本文のあるクチコミ用は「下書きの型」: 書き出し・お礼・内容に触れる 1〜2 文(ここは必ず人が書く)・結び、の型にします
- 3 か月に 1 回見直す: 終わったキャンペーンや古いメニュー名が残ると、全店に同じ誤りが広がります
型と記入例
型:
(店名)です。(お礼)。(書かれた内容に触れる 1〜2 文)。(結び)
本文のある星 5(「ランチのパスタがおいしかった。店員さんも感じがよかった」):
○○珈琲 新宿東口店です。ご来店とクチコミをありがとうございます。日替わりのパスタを気に入っていただけてうれしいです。スタッフにも伝えました。また近くにお越しの際はお立ち寄りください。
× 全店で同じ定型文を貼る例:
ご来店ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
本文のあるクチコミに後者のような文しか返していないと、読む人には「読んでいない」と伝わります。
店舗ごとの偏りを見つける
毎月、全店の返信の状況を同じ表で見ます。
| 指標 | 見方 |
|---|---|
| 返信率(本文のあるクチコミ) | 星だけの自動返信を除いて計算する。自動返信を含めると、本文のあるクチコミへの未返信が隠れる |
| 返信までの時間 | 中央値で見る。1 件の放置で平均が大きく動くため |
| 未返信の件数 | 7 日を超えたものを店舗ごとに出す |
| 承認の差し戻しの件数 | 多い店舗は、書き方の研修か、テンプレートの見直しが要る |
| 低評価の内容の分類 | 待ち時間、接客、価格、衛生、予約、設備などに分けて全店で集計する |
返信が遅れる店舗には、だいたい理由があります。
| 遅れる理由 | 対策 |
|---|---|
| 通知が店長に届いていない | 店長のアカウントで通知を受け取る設定にする。異動のときに引き継ぐ |
| 店長に権限がない(管理者に入っていない) | 着任のときに追加する手順を、本部の作業に入れる(グループと権限の設計) |
| 低評価への返信が怖くて手が止まる | 本部に回す種類を表で示し、下書きだけ書けばよいことにする |
| 本部の承認待ちで止まっている | 承認の期限と代理を決める。本部に回す種類を減らす |
| 店長が忙しい時間にしか見ていない | 返信の時間を決める(開店前の 15 分など) |
店舗をまたぐクチコミの扱い
- 別の店舗のことが書かれている: 利用者が店舗を間違えることがあります。「当店ではありません」と突き放さず、本部が該当の店舗を確かめ、窓口を案内します
- ブランド全体への不満(価格改定、全店共通のサービス): 店舗ごとに違う説明をしないよう、本部が説明の文を用意して全店で使います
- 同じ内容の低評価が複数の店舗に一斉に付く: 組織的な嫌がらせや、話題になった出来事への反応のことがあります。店舗ごとに返信する前に本部が集約し、違反なら削除の申し出、そうでなければ統一した方針で返します
- 同じ不満が複数の店舗で出ている: 予約の仕組み、価格の表示、マニュアルなど、本部の仕組みの問題です。店舗の返信で謝るだけでなく、本部で直します
よくある失敗
| × よくある運用 | ○ こうする |
|---|---|
| 全件を本部の承認にして、承認が 1〜2 週間遅れる | 本部に回す種類を限定し、承認に 24 時間の期限を付ける |
| 本文のあるクチコミにも自動返信の定型文を付ける | 自動返信は星だけの評価に限る。本文のあるものは人が内容に触れて返す |
| 店長が低評価に反論し、書いた人の来店日時や注文を書く | 下書きを本部が確かめる。特定につながることは書かないルールを配る |
| 店舗ごとの返信率を競わせ、未返信をなくすために中身のない返信が増える | 返信率と一緒に、差し戻しの件数や低評価の改善を見る |
| 店長の異動で、新しい店長が管理者に入っておらず数か月未返信 | 着任と同時に追加する。未返信 7 日超の一覧を本部が毎週見る |
| クチコミの件数を店舗ごとに目標にし、スタッフにノルマを課す | ポリシーで禁止されている。依頼の実施率で見る(依頼で守るルール) |
チェック項目
- 体制の型(店舗・本部・分担)を決めた
- クチコミの種類ごとに、書く人・本部の確認・期限の表を全店に配った
- 本部の承認に期限があり、担当が 2 人以上いる
- 言葉づかいのルール(名乗り、書かないこと、業種の規制)を配った
- 自動返信は本文のない評価だけで、本文のあるクチコミは人が返している
- テンプレートの原本を本部が持ち、3 か月に 1 回見直している
- 店長のアカウントに通知が届き、異動のときに引き継いでいる
- 本文のあるクチコミの返信率・返信までの時間・未返信の件数を店舗ごとに毎月見ている
- 低評価の内容を全店で分類し、共通の原因を本部で直している
よくある質問
Q. 本部がすべて返信した方が、品質がそろうのでは? 言葉づかいはそろいますが、現場を知らないと内容に触れられず、件数が増えると遅れます。店舗が書いて本部が一部を確かめる方が、速さと具体性を保てます。
Q. 星 5 の本文付きクチコミも、自動返信でいいですか? 勧めません。星 5 でも、書かれた内容に触れて返すことで、読む人に「ちゃんと読んでいる店」と伝わります。テンプレートを下書きにして、1〜2 文を書き足してください。
Q. 返信に店長の名前を書いてもいいですか? 書けますが、退職や異動のたびに古い名前が残ります。名乗りは店名までにしておくと、管理が楽です。
Q. 古い未返信のクチコミが数百件あります。全部返すべきですか? 本文のある低評価と、直近 1 年のものから返します。何年も前のものに一斉に返すより、これからのクチコミを期限内に返す体制を先に作る方が大事です。
出典
- ユーザーからのクチコミを管理する(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
- クチコミを増やすためのヒント(同。返信のヒント)
- マップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシー(Google マップ ヘルプ)
- ビジネス拠点グループのオーナーと管理者を管理する(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
LocalBase なら、複数店舗の Googleビジネスプロフィールの更新・投稿・クチコミ返信をまとめて行えます。新規無料登録から15日間、有料プランの全機能をお試し頂けます。
無料登録して今すぐ利用開始