フランチャイズの GBP は本部と加盟店のどちらが持つか|権限の分け方と、脱退・譲渡・閉店のときの扱い

最終更新 LocalBase 編集部監修: 寺師 岳見

結論: フランチャイズの GBP は、本部の会社アカウントがメインのオーナー、加盟店の経営者・店長は管理者とし、加盟店が写真・クチコミの返信・特別営業時間を担う形が、ブランドを守りやすく揉めにくい持ち方です。どの形を選ぶにしても、オーナー権限の持ち主、加盟店が変えてよい項目、脱退・譲渡・閉店のときにプロフィールをどうするかを加盟契約(または運用の覚書)に書いておきます。

Google のルールで決まっていること

  • 公式の加盟店(フランチャイズを含む)は、ブランド名でプロフィールを作れます
  • 1 つの店舗に 1 つのプロフィールです。本部と加盟店が同じ店舗のプロフィールを別々に作ると重複になります
  • 自分が所有していないビジネスのプロフィールを管理する人は「代理人」です。Google は、代理人がオーナーの明示的な同意なしに登録しないこと、オーナー確認のときにビジネスのオーナーと直接連絡を取ること、求められればオーナー権限をビジネスのオーナーに渡すことを求めています
  • 本部が別に「エリア本部」「加盟店募集」のプロフィールを作ることは、そこで顧客に対応しない限り認められません

本部と加盟店のどちらが「ビジネスのオーナー」に当たるかを、Google は具体的に決めていません。店舗を運営しているのは加盟店ですが、ブランドと看板は本部のものです。だからこそ、契約で先に決めておくことが大事になります。

持ち方の 3 つの型

型 オーナー 加盟店の役割 向いている場合 注意
A. 本部が持つ 本部の会社アカウント(グループ) 自店舗の管理者 看板・メニュー・価格を本部が統一しているチェーン(コンビニ、飲食、学習塾、整骨院など) 加盟店に返信や写真を任せないと、店舗の動きが遅くなる
B. 加盟店が持ち、本部が加わる 加盟店 オーナー。本部を管理者かオーナーに追加する 屋号は共通だが運営の自由度が高い形(のれん分け、ボランタリーチェーン) 脱退時に本部が外される。名前やカテゴリが店舗ごとにずれやすい
C. 加盟店だけで管理 加盟店 すべて 本部が GBP に関与しない契約 本部は全店の状態を把握できない。閉店や違反に気づけない

海外の実務者の間でも、加盟契約が許す限り本部がブランドのプロフィールを持ち、加盟店には管理者として日々の更新を任せる形が勧められています。理由として挙げられるのは、脱退した加盟店が本部の権限を外して不適切な内容を載せる危険と、閉店した店舗が「営業中」のまま残る問題です。

型 A でも、加盟店の経営者を必ず管理者に入れます。加盟店がクチコミに直接返信できないと、返信は遅くなり、内容も店舗の実情から離れます。

加盟契約(覚書)に書くこと

項目 書く内容の例
オーナー権限の帰属 店舗のプロフィールのメインのオーナーは本部とする。加盟店は自らオーナーとして新しいプロフィールを作らない
加盟店に渡す権限 加盟店の経営者と店長を管理者として追加する。追加・削除は本部が行う
加盟店が変えてよい項目 写真、特別営業時間、クチコミへの返信、店舗のイベントの投稿
本部の承認が要る項目 名前、カテゴリ、住所、電話番号、URL、通常の営業時間、価格を含む投稿、低評価への返信
クチコミの依頼のルール 見返りを付けない、その場での投稿を求めない、スタッフにノルマを課さない(依頼で守るルール)
業者の利用 加盟店が独自に MEO 業者と契約する場合は本部の同意を得る。業者は管理者とし、名前の変更などをさせない
数値の共有 本部は店舗のパフォーマンスとクチコミの数値を加盟店に共有する
脱退・契約終了 プロフィールは本部に残す。閉店なら閉業にし、同じ場所で別の屋号で営業を続けるなら、加盟店は新しいプロフィールを作る
店舗の譲渡 新しい加盟店に管理者を付け替える。クチコミはプロフィールに残る
費用 GBP の運用・業者・ツールの費用をどちらが負担するか

すでに加盟店がオーナーを持っている店舗が多いチェーンで、いきなり型 A に移そうとすると反発が出ます。まずは本部を各店舗のオーナー(メインではなく)として追加してもらい、全店の状態を見られるようにするところから始め、契約の更新時に型 A へ移すのが現実的です。

脱退・譲渡・閉店のときの扱い

できごと プロフィール クチコミ 作業
加盟店が閉店する 閉業にする 残る(新しく書かれなくなる) 本部が閉業に。加盟店の管理者を外す(閉業・移転・削除)
店舗を別の加盟店に譲渡し、同じ屋号で続ける そのまま使う 引き継がれる 前の加盟店の管理者を外し、新しい加盟店を追加する。電話番号が変わるなら別の日に変える
加盟店の店舗を本部の直営に切り替える そのまま使う 引き継がれる 加盟店の管理者を外す。ラベルを「直営」に変える
加盟店が脱退し、同じ場所で別の屋号で営業を続ける 旧ブランドのプロフィールは閉業にし、加盟店は新しい屋号のプロフィールを作る 旧ブランドのプロフィールに残り、新しい店には移らない 本部が閉業に。加盟店が新しいプロフィールを作り、オーナー確認する
加盟店が脱退し、同じ場所で同業の別チェーンに加盟する 同上 同上 同上

Google は、名前の固有の部分が変わったり、業種が変わったりする場合は、名前の変更ではなく新しいビジネスとして扱う(古いプロフィールを閉業にして新しく作る)と定めています。ブランドが変わる脱退はこれに当たると考えられます。加盟店から見ると、ブランドの看板の下で集めたクチコミは、脱退するとついてこないということです。加盟店が独立を考えるなら、契約前にこの点を知っておく必要があります。

加盟店がオーナーのまま脱退し、揉めたとき

型 B・C で、脱退した加盟店がブランド名のプロフィールを持ち続け、看板を変えたのに GBP の名前を変えない、閉店したのに閉業にしない、といった状況になることがあります。

  1. まず加盟店に、契約に沿って本部をオーナーに追加するか、閉業にするよう依頼します
  2. 応じてもらえず、本部がプロフィールを持つ取り決めがあるなら、本部の会社アカウントから「アクセス権限をリクエスト」します。現在のオーナーには 3 日以内の返答が求められます(オーナー権限の取り戻し方)
  3. 実態と違う表示(閉店しているのに営業中、看板と違う名前)は、Googleマップの「情報の修正を提案」で正しい情報を伝えられます
  4. ブランド名や商標の使用をめぐる争いは、Google の手続きではなく契約と法律の問題です。弁護士に相談してください

脱退の前に権限を整理しておけば、こうした手間はかかりません。脱退の手続きの書類に「GBP の権限の返還(または閉業)」を入れておきます。

本部と加盟店の役割分担の例

作業 本部 加盟店
名前・カテゴリ・URL の管理 ○ 変更の要望を出す
通常の営業時間 台帳を管理し一括で反映 変更を申請
特別営業時間 全店共通の休み 店舗独自の休み
写真 撮り方のルールを配る 撮影と追加
全店共通の投稿(キャンペーン) ○
店舗の投稿(地域のイベント、空き状況) 規制のある業種は確認 ○
クチコミの依頼 ルールの周知、POP・カードの配布 実施
クチコミの返信 低評価・事故・法令に関わるものの確認 返信(下書き)
数値の記録と共有 ○ 自店の数値を見て手を打つ
修正の提案・Google による変更の処理 ○ 事実の確認に答える

LocalBase では、加盟店の店長などに発行したアカウントからの投稿・写真・クチコミ返信を、公開前に本部が承認する設定にできます。

業種ごとの注意

  • 整骨院・鍼灸院・医療: 加盟院が独自に「交通事故専門」などの言葉を名前や投稿に入れると、施術所の広告ガイドラインに触れることがあります。本部の確認を通す項目に入れます(ビジネス名)
  • 学習塾・スクール: 教室ごとにプロフィールを作ります。同じ建物で複数のブランド(個別指導と集団授業など)を運営するなら、入口や看板が別で、それぞれ顧客に対応している場合に限り別のプロフィールにできます
  • 不動産仲介: 加盟店の看板に、ブランド名と加盟店の会社名が並ぶことがあります。GBP の名前は、看板やサイトで一貫して使っている表記に合わせ、店舗ごとに付け方を変えないようにします
  • 美容室・リラクゼーション: 加盟店のスタッフが個人のプロフィールを作り、店舗のクチコミが分散することがあります。個人での登録の可否は登録できるビジネスの条件で判断し、加盟店向けのルールに入れます

チェック項目

  • 全店舗の GBP のオーナーが誰か、一覧で把握している
  • 加盟契約か覚書に、オーナー権限の帰属を書いた
  • 加盟店が変えてよい項目と、本部の承認が要る項目を決めた
  • 加盟店の経営者・店長が管理者として入っていて、返信できる
  • 脱退・譲渡・閉店のときのプロフィールの扱いを決めた
  • 加盟店向けのマニュアルに、クチコミの依頼のルールが入っている
  • 加盟店が独自に業者と契約するときのルールを決めた

よくある質問

Q. 加盟店です。本部が GBP を持っていて、返信もできません。 本部に、自店舗のプロフィールの管理者として追加してもらえるか相談してください。管理者なら、返信・写真・特別営業時間を自分で扱えます。

Q. 加盟店が集めたクチコミは、加盟店のものですか? クチコミはプロフィールに付くもので、プロフィールを移さない限り移りません。ブランドを変えて営業を続ける場合、旧ブランドのプロフィールのクチコミは新しい店に移らないと考えてください。

Q. 本部が加盟店のプロフィールを勝手に削除できますか? オーナーなら技術的には削除できます。ただし、削除すると店舗側が載せた投稿・写真・動画・クチコミへの返信が完全に消え、利用者のクチコミとマップ上の表示は残ることがあります。閉店でない限り削除はせず、契約に「本部は営業中の店舗のプロフィールを削除しない」と書いておくと、加盟店も安心できます。

Q. 加盟店ごとに名前を変えてもいいですか? 看板やサイトで、その店舗が一貫してその名前を使っているなら可能です。ただし全店の名前がそろっていないと、一括でのオーナー確認で不利になるという指摘もあります(統一ルール)。

出典

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