AI 検索で店舗が選ばれる要因|AI による概要・AI モード・マップに相談・ChatGPT の違いとやること

最終更新 LocalBase 編集部監修: 寺師 岳見

結論: AI 検索は、サービスごとに材料が違います。Google の AI(AI による概要・AI モード・マップに相談)は、GBP の情報、クチコミ、Webサイトという、これまでの MEO と同じ材料を土台にしていると考えられます。ChatGPT などの Google 以外の AI は、GBP の中身を直接は使えないと考えられ、自社サイトと、ほかのサイトでの紹介やクチコミの比重が大きくなります。特別な裏技はなく、やることは「正確な GBP」「具体的なクチコミ」「分かりやすいサイト」「ほかのサイトでの掲載」です。効果を正確に測る方法は、まだありません。

AI 検索の種類と、日本での提供状況

サービス 中身 日本での提供 主な材料(考えられるもの)
AI による概要 Google 検索の結果の上に、AI がまとめた回答を表示 2024 年 8 月から 検索の対象になっている Web ページ、ローカル検索では GBP の情報
AI モード Google 検索の中で、AI と会話しながら調べられる 日本語は 2025 年 9 月 9 日から順次 同上。地域のおすすめを探す使い方を Google 自身が挙げている
マップに相談 Googleマップの中で、条件を会話で伝えて場所を探せる(Gemini と連携) 2026 年 8 月 7 日から数週間かけて順次 Google は、5 億人以上の投稿者からのクチコミと 3 億を超える場所の情報を分析して答えると説明している
マップのクチコミの要約 店舗のクチコミを AI が要約して表示 国内でも表示が広がっている その店舗のクチコミ
ChatGPT 会話の中で店舗を紹介する。地図や店舗のカードが表示されることもある 利用可。位置情報の共有は 2026 年から任意で設定できる Web 上の情報、提携先の地図・店舗データ(中身は非公表)
Perplexity、Copilot など 検索した結果を AI がまとめる 利用可 Web 上の情報。Copilot は Bing の情報を使うと考えられる

海外の専門家への調査(Whitespark、2026 年版)をまとめた Whitespark の代表は、情報を調べる検索では AI に客を奪われたサイトが多い一方で、地域の店を探す検索は、今も大半が Google のローカル検索の結果で行われているとの見方を示しています。AI 検索への備えは必要ですが、マップでの順位と GBP の運用が土台であることは変わりません。

何が材料になっていると考えられているか

Google の AI

Google は、AI による概要や AI モードに表示されるために、特別な最適化は必要なく、これまでの SEO の基本がそのまま有効だと説明しています。ページがインデックスに登録され、通常の検索結果にスニペットが表示される状態で、Search Console の「検索の生成 AI 設定」でサイトを除外していなければ、AI の回答に使われる対象になります(初期設定は「含める」です)。また、AI は 1 つの質問から関連する複数の検索を行い(クエリ ファンアウト)、その結果を組み合わせて回答を作ります。

地域の店を探す質問では、Google の AI は自社の地図のデータ、つまり GBP の情報とクチコミを使えます。「マップに相談」について Google は、クチコミと場所の情報を分析して答えると明言しています。「充電ができて、長く並ばずにコーヒーが買える店」のような条件付きの質問に答えるには、次のような情報が使われると考えられます。

  • カテゴリ、サービス、商品、メニュー
  • 属性(Wi-Fi、電源、駐車場、個室、車椅子対応など)
  • 営業時間、混雑する時間帯
  • クチコミの本文(「電源席がある」「待たずに入れた」など、具体的な体験)
  • 写真
  • Webサイトの内容

Google 以外の AI(ChatGPT など)

ChatGPT が店舗の情報をどこから得ているかは、OpenAI から詳しく公表されていません。

  • 2025 年に、スペインの実務者が「ChatGPT の地域の店舗の結果の 6〜7 割は Foursquare(地図・店舗データの会社)から来ている」と報告し、広く引用されました。ただし、もとの調査は 5 都市・50 の質問という小さなものでした
  • 2026 年 8 月には、米国の実務者が 2,880 の質問で追試し、ChatGPT の店舗のカードに付く根拠の情報には Yelp(米国のクチコミサイト)がほぼ毎回含まれ、Foursquare はほとんど見られなかったと報告しています

どちらも米国・欧州での調査で、日本語の質問で何が使われているかは分かっていません。日本では、業種ごとの大手ポータル(飲食なら食べログ・ホットペッパーグルメ・Retty、美容ならホットペッパービューティー、医療なら病院の検索サイト、士業なら専門の相談サイトなど)が、同じ役割を果たしていると考えられます。

専門家の見方

専門家への調査では、2026 年版から「AI 検索での見え方」の評価が新たに加わりました。媒体が選んだ「おすすめ」の記事(「○○駅 おすすめ 歯医者 10 選」のようなもの)への掲載、サービスごとの専用ページ、業界のサイトやニュース・行政・業界団体のサイトでの言及、Google 以外のクチコミサイトでの評判などが、上位の要因とされています。

マップの順位では GBP の情報とクチコミが中心でしたが、AI 検索では自社の外にある情報の比重がずっと大きいというのが、専門家の共通した見方です。

AI に紹介される店は、ずっと少ない

マーケティング会社の SOCi が、2,751 の多店舗ブランドの 35 万以上の店舗を調べた 2026 年の調査では、Google のローカルパック(地図の上位 3 件)に出た店舗が約 36% だったのに対し、ChatGPT が紹介した店舗は約 1%、Gemini は約 11%、Perplexity は約 7% でした。また、AI が答えた店舗の情報の正確さは、Google の地図のデータを直接使える Gemini の方が、ChatGPT や Perplexity より高かったと報告されています。

AI は 1 つの質問に数件しか答えないため、選ばれる店はローカルパックよりさらに絞られます。選ばれても、伝えられる情報が古ければ客を逃します。

店舗がやること

次の 4 つを、優先順位の高い順に進めます。上の 3 つは、マップの順位のための運用とまったく同じです。

1. GBP を正確に、具体的にする

Google の AI の土台です。カテゴリ、営業時間、特別営業時間、サービス、メニュー、属性を、実態どおりに漏れなく入れます。特に属性は、「個室」「電源」「駐車場」「子ども連れ」のような条件付きの質問で、候補に残るための情報です。

  • 営業時間が古いと、AI が「今は営業している」と誤って伝えることがあります
  • サービスやメニューに価格を入れておくと、「予算 3,000 円で」のような質問に答える材料になります

2. クチコミに、具体的な体験が書かれるようにする

AI は、クチコミの中の具体的な言い回しを拾って紹介に使う傾向があると、実務者から報告されています。「よかった」「また来たい」だけのクチコミより、「平日の夜でも待たずに入れた」「駐車場が広くて停めやすい」のようなクチコミの方が、条件付きの質問で引用されやすいと考えられます。

ただし、書く内容を指定して依頼することは Google のポリシーで禁止されています。「どんなところがよかったか、具体的に教えてください」のように、内容を指定しない問いかけにとどめます(クチコミの依頼の仕方)。

否定的なクチコミが多い店は、その内容が AI の要約や回答にそのまま出ることがあります。低評価の原因を直すことも、AI 検索への対策です。

3. 自社サイトを、AI が読み取りやすい形にする

  • サービスごとのページを作る: 「インプラント」「矯正」「小児歯科」のように、サービスごとに 1 ページ。何を、誰に、いくらで、どのくらいの期間で提供するかを書きます
  • 店舗ごとのページを作る: 住所、電話番号、営業時間、最寄り駅からの行き方、駐車場を、文字で書きます。GBP と同じ内容にそろえます
  • よくある質問を書く: 予約の要否、支払い方法、子ども連れの可否など、客が実際に聞いてくることを質問と答えの形で書きます
  • AI のクローラーを止めていないか確かめる: サイトの robots.txt で、検索用のクローラーを拒否していないか確かめます。OpenAI は、ChatGPT の検索に使う OAI-SearchBot と、学習に使う GPTBot を分けており、OAI-SearchBot を拒否すると ChatGPT の検索の回答に出なくなるとしています。Google の AI 機能は、通常の Googlebot が集めた情報を使います
  • 構造化データを入れる: 店舗の情報を構造化データ(LocalBusiness)で記述すると、機械が店舗の情報を読み取りやすくなります(Webサイト)

4. ほかのサイトに、正しく載る

  • 業種のポータル: 食べログ、ホットペッパー、Retty、エキテン、EPARK、楽天ビューティなど、業種ごとの主要なサイトに、正しい情報で掲載します。掲載している情報が古いと、AI が古い情報を伝えます
  • 地域の媒体・業界団体: 地域のニュースサイト、商工会議所、業界団体の会員一覧など
  • 「おすすめ」の紹介記事: 地域の情報サイトや紹介記事に取り上げてもらえるよう、取材の依頼に応じる、地域のイベントに出る、などの活動をします。お金を払って載せる記事は、広告であることが表示されていないとステマ規制の問題になります
  • Google 以外の地図: Apple の地図や Bing の地図(Copilot の材料になると考えられる)にも登録します。Yahoo!プレイスは 2027 年 3 月 31 日で終了します(Google 以外の地図、Yahoo!プレイスの終了)

店名・住所・電話番号を、どのサイトでも同じ表記にそろえることも大切です。AI は複数のサイトの情報を突き合わせて答えるため、食い違いがあると、間違った情報を答えたり、紹介を避けたりする原因になると考えられます。

やらなくてよいこと・やってはいけないこと

  • AI 向けの特別なファイルや記述: Google は、AI 機能に表示されるために特別な対応は不要としています。llms.txt のような AI 向けのファイルを置くことも求めていません
  • 自作の比較サイト・ランキング記事: 自社が 1 位になる「おすすめ○選」を、第三者を装って作ることは、利用者を欺く表示で、ステマ規制の点でも問題になります
  • AI の回答を操作する目的の大量の記事: 地域名だけを差し替えた記事を量産すると、通常検索でスパムとして扱われる恐れがあり、結果として AI の材料にもなりません

計測の難しさ

Google 検索の AI による概要と AI モードについては、2026 年 8 月 31 日から Search Console の「生成 AI パフォーマンス」レポートで、サイトへのリンクが表示された回数を見られるようになりました。ただし、クリックや来店までは分からず、「マップに相談」や ChatGPT などでの見え方を正確に測る方法は、2026 年 10 月時点ではありません。専門家への調査に答えた実務者からも、AI での見え方を測るツールはまだ十分でないという声が上がっています。

なぜ測りにくいか

  • 回答が毎回変わる: 同じ質問でも、聞くたびに紹介される店が変わることがあります
  • 人によって違う: 「マップに相談」は、利用者が許可すれば、Gmail の予約情報や過去の会話を考慮して提案します。ChatGPT も、位置情報を共有しているかどうかで答えが変わります
  • 数字が分かれていない: GBP のパフォーマンスでは、閲覧や通話が AI 経由かどうかは区別されません。Search Console でも、AI による概要や AI モードからの流入は「ウェブ」の検索の数字に含まれ、分けて見ることはできません

それでもできること

方法 やり方 分かること
定点の質問 「○○駅 近く 歯医者 日曜 診療」のような質問を 10〜20 個決め、毎月同じ日に、Google の AI モード・マップに相談・ChatGPT で聞き、自店が出たか、何と紹介されたか、どのサイトが根拠に挙がったかを記録する 傾向と、紹介の内容の誤り
アクセス解析 Google アナリティクスで、chatgpt.com、perplexity.ai、gemini.google.com、copilot.microsoft.com などからの流入を見る。ChatGPT の検索から来たリンクには utm_source=chatgpt.com が付く AI からサイトに来た人の数
来店時の聞き取り 予約フォームや来店時のアンケートの「何で知りましたか」に、「AI(ChatGPT など)」の選択肢を加える AI がきっかけの来店の数
誤りの確認 AI が自店について答えた内容(営業時間、料金、場所)に誤りがないか確かめ、誤りの元になっているサイトの情報を直す 古い情報が残っているサイト

定点の質問は、ログインしていない状態や、位置情報を店舗の近くに設定した状態など、条件をそろえて行います。1 回の結果で一喜一憂せず、数か月の傾向で見ます。

業種ごとの注意

業種 AI に参照されやすいと考えられるもの 注意
飲食 グルメサイト、地域の情報サイト、紹介記事 メニュー・価格・予約方法を各サイトでそろえる
美容・サロン 予約サイト、スタイルの写真 予約サイトの店舗情報と GBP の営業時間をそろえる
医療・歯科 病院の検索サイト、自院のサイトの診療内容のページ 医療広告ガイドラインに沿った表現。体験談や比較の表現に注意
士業 専門の相談サイト、事務所のサイトの取扱分野のページ 弁護士・税理士などの広告の規程に沿う
宿泊 予約サイト、旅行の情報サイト 料金・設備の情報を各サイトでそろえる
小売 自社サイトの商品・在庫の情報 取扱商品を GBP の商品やサイトで具体的に書く

複数店舗の場合

AI は、チェーンの店舗どうしの情報を取り違えることがあります。ある店舗の営業時間を別の店舗の情報として答える、閉店した店舗を紹介する、といった誤りです。店舗ごとのページを作り、各店舗の GBP・サイト・ポータルの情報を同じ内容に保つことが、誤りを減らす基本です。閉店した店舗は、GBP で閉業にし、サイトの店舗一覧からも外します。LocalBase では、店舗情報の一括更新と、店舗ページ用の構造化データの生成ができます。

チェック項目

  • GBP のカテゴリ・営業時間・サービス・メニュー・属性を実態どおりに入れた
  • クチコミの依頼で、内容を指定せずに具体的な体験を書きやすい問いかけをしている
  • サイトに、サービスごとのページと店舗ごとのページがある
  • サイトの robots.txt で、検索用のクローラー(Googlebot、OAI-SearchBot など)を拒否していない
  • 業種の主要なポータルに、正しい情報で掲載している
  • 店名・住所・電話番号の表記が、どのサイトでもそろっている
  • AI の回答を定点で確かめる質問の一覧を作り、毎月記録している
  • アクセス解析で、AI のサービスからの流入を見ている

よくある質問

Q. AI 検索のために、何か特別な設定は必要ですか? Google は、特別な最適化は必要ないとしています。GBP と Webサイトを、これまでどおり正確に、具体的に整えることが対策になります。

Q. ChatGPT に自店が出てきません。どうすればよいですか? ChatGPT は GBP の中身を直接は使えないと考えられるため、自社サイトと、ほかのサイトでの掲載が中心になります。業種の主要なポータルに正しい情報で載っているか、自社サイトに店舗とサービスのページがあるか、robots.txt で ChatGPT の検索用のクローラーを拒否していないかを確かめてください。

Q. AI が自店について間違ったことを答えています。 AI に直接修正を頼む方法は限られています。間違いの元になっていそうなサイト(古いポータルの情報、閉店した店舗のページ、古いブログ記事)を探して直すのが確実です。Google の AI の誤りは、回答の評価ボタンからフィードバックを送れます。

Q. AI 検索が広がると、マップの順位は意味がなくなりますか? 少なくとも 2026 年時点では、地域の店を探す検索の大半は、今も Google のローカル検索の結果で行われていると考えられています。また、Google の AI はマップと同じ GBP とクチコミを材料にしているため、マップのための運用は AI 検索の対策も兼ねています。

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