ユーザーの行動は MEO の順位に影響するか|クリック率・電話・ルート・来店と、クリック水増しの危険

最終更新 LocalBase 編集部監修: 寺師 岳見

結論: 検索結果でクリックされる、電話やルート検索をされる、といったユーザーの行動は、順位の材料に使われていると考えられています。ただし Google は中身を公表しておらず、行動は「作る」ものではなく「選ばれた結果として増える」ものです。クリックやルート検索をツールや人を使って水増しすると、一時的に上がっても戻るうえ、ポリシー違反として扱われます。

行動が順位に使われていると考えられる根拠

Google は、ローカル検索の順位の材料として関連性・距離・知名度を挙げていますが、ユーザーの行動については明言していません。それでも、行動が使われていると考える根拠はいくつかあります。

根拠 内容 根拠の強さ
米国の独占禁止法の裁判での証言(2023 年) Google の幹部が、検索結果でのクリックなどの行動データを順位づけに使う仕組み(Navboost)があると証言した。ただし通常検索の話で、マップでの使われ方は明らかになっていない 公式の証言(通常検索)
Sterling Sky の実験(2024 年) 2 ページ目にいた飲食店を、多数の人に検索してクリックしてもらったところ、ほぼすぐに 2 位まで上がった。クリックが止まると順位が戻り、最終的には元の位置より下がった 検証
専門家への調査(Whitespark、2026 年版) マップでのクリック率は上位の要因とされ、行動の要因グループの比重も前回より増えた。Whitespark の代表は、Google が実際の人の関わり(プロフィールの閲覧、写真やクチコミを見る、など)を重視する方向にあるとの見方を示している 専門家の見解
Google のヘルプ(混雑する時間帯) 混雑状況は、ロケーション履歴を有効にしているユーザーの匿名データから作られている。Google が来店の実態を把握していることは確か 公式(ただし順位との関係は書かれていない)

まとめると、行動は順位に影響していると考えられるが、どの行動がどれだけ影響するかは分からないというのが現時点の正確な理解です。

行動の種類と、店舗ができること

行動 Google が把握できること 順位との関係(推測を含む) 店舗ができること
検索結果でのクリック どの検索語で、何位の店が、どれだけ選ばれたか 影響すると考える専門家が多い。上の実験でも短期的に動いた 写真・評価・営業時間など、一覧で目に入る情報を整える
プロフィール内の操作 写真やクチコミを見る、スクロールする、滞在する 影響するという見方があるが、検証は少ない 写真・メニュー・サービスを充実させ、見る価値のあるプロフィールにする
電話のタップ プロフィールの通話ボタンが押された回数 影響するという見方はあるが、比重は小さいとされる 店舗に直接つながる番号を入れ、営業時間内に必ず出る
ルート検索 ルートを調べた回数、実際にナビを使ったか 同上 ピンを入口に合わせ、駐車場などの属性を入れる
Webサイトへのクリック プロフィールからサイトに移った回数 同上 リンク先を店舗のページにし、予約や問い合わせにつなげる
来店 位置情報を有効にしているユーザーが実際に訪れたか 影響する可能性があるが、外から検証するのは難しい 実際に来店される店にすること以外にない
混雑状況 時間帯ごとの来店の多さ 「混んでいる店」が有利とは言い切れない 編集できない。来店数が少ないと表示されない
店名での検索 店名で直接検索される回数 知名度の材料と考えられている 看板・チラシ・SNS などで店名を覚えてもらう

検索結果でクリックされるために

マップの一覧で、ユーザーはごく短い時間で店を選ぶので、一覧に出る情報がクリック率を決めます。

一覧に出る情報

  • ビジネス名: 正式名称のまま。キーワードを足すのは違反です(ビジネス名)
  • 評価とクチコミの件数: 最も目に入る数字です。星 4 台前半と 3 台後半では、選ばれ方が大きく変わります(クチコミ)
  • 業種名: 検索語に合わせて、メインカテゴリ以外の業種名が表示されることもあります
  • 営業中・営業時間外・まもなく閉店: 検索した時点の営業状況が表示されます(営業時間)
  • 写真: 検索語に合わせて Google が選んだ写真が出ます。「ランチ」で検索されたらランチの写真、というように、検索語ごとに違う写真が出ることがあります
  • この店が表示された理由: 「ウェブサイトに記載: ○○」「クチコミ: ○○」のように、検索語とつながった根拠が 1 行で出ることがあります

実務のコツ

  • 写真の種類を検索語に合わせて揃える: 「個室」「テイクアウト」「キッズスペース」のように探される条件があるなら、その写真を入れておきます。Google は検索語に合う写真を選んで一覧に出すため、写真の幅が広いほど、さまざまな検索で魅力的に見えます
  • 最初に目に入る写真の質: 暗い・ぼやけた写真や、食べかけの料理の写真が一覧に出ていないか、主要な検索語で自店を検索して確かめます。客が投稿した写真が選ばれることもあるため、オーナーが質の良い写真を多く入れておくのが対策です
  • 「この店が表示された理由」を確かめる: 自店が狙う検索語で、自店と上位の競合にどんな根拠が表示されているかを見ます。競合が「ウェブサイトに記載」で表示されているなら、自店のサイトにその内容が書かれていない可能性があります
  • 営業時間の空白を作らない: 祝日や年末年始に特別営業時間を入れていないと、「祝日の営業時間は異なる場合があります」といった注意書きが出ることがあり、客が来店をためらう原因になります

電話・ルート・Webサイトへのクリックを増やすために

これらは順位の材料である以上に、来店や問い合わせそのものです。順位が同じでも、ここが増えれば売上は増えます。

  • 電話: 店舗に直接つながる番号を入れます。代表番号や本部につながる番号だと、客が途中で諦めます。営業時間中に電話に出られない時間帯がある店は、予約のリンクを用意します
  • ルート: ピンが入口にあることが前提です。ビルの何階か、どの入口から入るかを写真とサービスの説明で伝えます。駐車場や車椅子対応などの属性も入れます
  • Webサイト: トップページではなく、その店舗のページにリンクします。予約・問い合わせのボタンが最初の画面に見えるページが理想です(Webサイト)
  • 予約: 予約サイトや自社の予約ページを使っている業種は、予約のリンクを設定します

来店と混雑状況

Google のヘルプによると、混雑する時間帯・待ち時間・滞在時間は、ロケーション履歴を有効にしているユーザーから集めた匿名データをもとに作られ、過去数か月の平均の混雑度や過去数週間の訪問のパターンから計算されます。ビジネス情報に手動で追加することはできず、来店のデータが十分にある店にだけ表示されます。

  • 混雑状況が表示されていないのは、来店のデータが足りないためで、ペナルティではありません
  • 専門家への調査では、「混雑している」と表示されることが順位に影響するかについて、評価は高くありません
  • 来店そのものが順位の材料になっている可能性はありますが、外から確かめる方法はありません。店舗にできるのは、実際に来店される店にすることだけです

プロフィール上での閲覧の量

プロフィールを開いた人が、写真を見る、クチコミを読む、メニューを開く、といった操作をどれだけするかも、材料になっているという見方があります。専門家への調査でも、こうした関わりの量は前回より評価が上がりました。

ただし、これを狙って何かを「増やす」必要はありません。見る価値のある情報が揃っているプロフィールは、結果として長く見られます。

  • 写真: 外観・店内・商品・スタッフを、それぞれ複数枚
  • メニュー・商品・サービス: 価格や内容まで具体的に
  • クチコミ: 件数と新しさ。返信があると、読まれる量も増えると考えられます
  • 投稿: 順位への効果は専門家の評価では低めですが、有効な投稿の数が多い店ほど上位に入る割合が高いという大規模データもあります。特典やイベントの情報は、来店の判断材料にもなります(投稿)

店名で検索される回数を増やす

店名で検索される回数は、知名度を表す材料の一つと考えられています。地域で名前を覚えてもらう活動は、順位以外の面でも効果があります。

  • 看板・チラシ・ショップカード・レシートに、店名を目立つように入れる
  • 「Googleマップで『店名』と検索してください」と案内する(キーワードを付けて検索するよう頼むのではなく、店名だけを案内します)
  • 地域のイベント、商店会、地域メディアに出て、店名を知ってもらう
  • SNS で、店名が分かる発信を続ける

店名検索を増やすために、スタッフや知人に毎日検索させるのは、次の節で説明する不正な行動の水増しと同じです。

行動のシグナルを不正に作る行為の危険

行動が順位に影響すると分かると、それを人工的に作ろうとする手口が出てきます。

よくある手口

手口 中身
クリックを水増しするツール 自動プログラムや、多数のスマホ・仮想の端末を使い、指定した検索語で検索して店舗をクリックさせる
位置情報を偽装した検索・ルート検索 端末の位置情報を偽って、店舗の近くにいる人のふりをして検索・ルート検索をする
人を集めて検索・クリックさせる 謝礼を払って不特定多数の人に、指定の検索語で検索してもらい、店舗のクリック・ルート検索・電話をさせる
業者の「順位上昇プラン」 中身を明かさずに「毎月○回の反応を増やします」「ルート検索を増やして順位を上げます」とうたうもの
スタッフに毎日検索させる 店舗のスタッフや家族に、業種名で検索して自店をクリックさせる

なぜ危険か

  1. ポリシーで禁止されている: Google マップのポリシーは、エミュレータ、デバイス改ざんツール、改変された OS などを使って実際のエンゲージメントを模倣したり、センサーのデータや結果を操作したりすることを、虚偽のエンゲージメントとして禁止しています
  2. 効果が一時的: Sterling Sky の実験では、クリックが続く間だけ順位が上がり、止まると戻り、最終的には元の順位より下がりました。同じ期間、競合の順位には同じような揺れはありませんでした。何度か繰り返しても同じ結果だったと報告されています
  3. やめられなくなる: 効果がクリックの継続に依存するため、業者と契約すると、解約した瞬間に順位が落ちます。結果として、効果の分からない費用を払い続けることになります
  4. 数字が使えなくなる: パフォーマンスの閲覧数やルート数が、実際の客の行動を表さなくなります。どの施策に効果があったのか、本当の集客がどう変わったのか、判断できなくなります
  5. ほかの違反とセットになりやすい: 行動の水増しを勧める業者は、ビジネス名へのキーワード追加や、クチコミの不正な獲得も勧めることが多く、停止のリスクが重なります(停止される要因)

業者の提案を見分ける

LocalBase に寄せられた相談でも、MEO の業者から「必ず上位にします」「上位になったら成功報酬」といった提案を受けた例が多くあります。次のような説明がある場合は、行動の水増しを含んでいる可能性があります。

  • 「ルート検索数」「閲覧数」を増やす、と施策の中身として書いてある
  • 何をするのかを聞いても、「独自のノウハウ」として説明しない
  • 契約期間中だけ順位が上がり、解約すると下がる、と説明される(または、そうなった)
  • 順位の報告が、特定の場所から検索した画面だけで、位置情報を偽装したブラウザで撮ったものに見える

行動のデータの見方(パフォーマンス)

自店の行動のデータは、GBP の「パフォーマンス」で確かめられます。順位より、こちらの方が集客の実態に近い数字です。

指標 中身 見るときの注意
閲覧数 Google 検索とマップでプロフィールを見たユーザーの数 1 人のユーザーを 1 日 1 回として数える。メールで届く数字より少ないことがある
検索語句 プロフィールが表示された検索語 月初に更新され、表示まで 5 日ほどかかる
通話 プロフィールの通話ボタンがクリックされた回数 実際に電話がつながった件数ではない
ルート ルートを調べた数 数え方が変わったことがある(下記)
Webサイトのクリック プロフィールからサイトに移った数 リンク先 URL に計測用のパラメータを付けると、サイト側でも追える
予約・メニューなど 業種によって表示される

LocalBase が支援している店舗では、2024 年 1 月のルート数が、2 月初めには 240 と表示されていたのに、2 月中旬には 72 に書き換わっていた例がありました。ほかの店舗でも 4 分の 1〜2 分の 1 に下がっていました。また、以前の「インサイト」はプロフィール内のルートボタンだけを数えていたのに対し、今のパフォーマンスは検索結果の一覧にあるボタンも数える、という説明を Google から受けています。月をまたいで数字を比べるときは、後から書き換わることがあると考え、月初に記録した数字と見比べます。

GBP を Google アナリティクスに接続して、プロフィール上の操作(Webサイトのクリック、通話、ルートなど)をサイトのデータと並べて見る機能も用意されています。

反応率で見る

「閲覧数に対して、通話・ルート・Webサイトへのクリックが何件あったか」(反応率)を月ごとに見ると、プロフィールの内容を変えた効果が分かりやすくなります。閲覧数は順位と季節で大きく動きますが、反応率はプロフィールの魅力(写真、評価、営業時間、情報の充実)を反映しやすい数字です。

業種ごとに重い行動

業種 重い行動 整えること
飲食 ルート、メニューの閲覧、予約 メニューと価格、料理の写真、予約リンク、混雑しにくい時間の案内
美容・サロン 予約、Webサイト 予約サイトへのリンク、スタイルの写真、価格
医療・歯科・整骨院 電話、予約 診療時間、休診日、予約方法、駐車場。医療・歯科は医療広告ガイドライン、整骨院はあはき・柔整広告ガイドラインに沿った表現
訪問型(修理・清掃など) 電話 店舗に直接つながる番号、対応地域、対応時間
小売 ルート 在庫や取扱商品、駐車場、営業時間
士業・不動産 Webサイト、電話 相談の流れ、専門分野のページ

複数店舗の場合

店舗ごとの反応率を並べると、同じブランドでもプロフィールの質の差がはっきり出ます。反応率の低い店舗から、写真・営業時間・クチコミの状況を見直すと効率的です。LocalBase では、店舗ごとのパフォーマンスの数値を並べて分析できます。

チェック項目

  • 主要な検索語で自店を検索し、一覧に出る写真・評価・営業状況を確かめた
  • 「この店が表示された理由」に何が表示されているか、競合と比べた
  • 電話番号は店舗に直接つながり、営業時間中に出られる
  • ピンは入口にあり、ルートで迷わない
  • Webサイトのリンク先は店舗のページで、計測用のパラメータを付けている
  • パフォーマンスの数字を月初に記録し、反応率を見ている
  • クリックやルート検索を増やすツール・業者・スタッフの検索を使っていない

よくある質問

Q. 自分で毎日、自店を検索してクリックすると順位は上がりますか? 1 人が毎日クリックしても、順位を動かすほどの量にはならないと考えられます。また、自分の検索履歴によって自店が上に出やすくなるため、順位の確認としても正確ではありません。

Q. 「ルート検索を増やして順位を上げる」という業者の提案は使ってよいですか? 使わないでください。Google のポリシーは、実際のエンゲージメントの模倣を禁止しています。効果も一時的で、止めると元より下がった検証があります。

Q. 混雑状況が表示されないのは、順位に不利ですか? 来店のデータが足りないと表示されないだけで、ペナルティではありません。編集もできません。

Q. パフォーマンスの数字が、先月見たときと違います。 後から数字が書き換わることがあります。月初に数字を記録し、1 週間ほど後に前月分をもう一度見て、変わっていれば記録を書き直してから比べます(パフォーマンス)。

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出典

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