Google の口コミ(クチコミ)対策|順位への影響、目標の立て方、運用の全体像

最終更新 LocalBase 編集部監修: 寺師 岳見
効果の目安マップ高通常検索低AI 検索高見方

Google は、クチコミの数と評価を「知名度」の材料として挙げ、クチコミ数が多く評価の高いビジネスはローカル検索の順位が高くなると明言しています。海外の専門家への調査でも、マップの順位に関わる要因のうち、クチコミの比重は GBP の情報に次いで大きく、年々増しているとされています。

ただし、件数・評価・新しさがそれぞれどれだけ順位に影響するかは、検証によって結論が分かれる部分もあります。

結論: 目標は「何件ほしいか」ではなく、狙う検索語で上位に出る競合との差から立てます。件数は競合並み、評価は星 4.5 前後、新しさは毎月途切れずに増えている状態を目指し、ルールを守った依頼を日常業務にして、毎月数字で確かめます。

クチコミの仕組みの基本

項目 仕様
平均評価(クチコミスコア) Google で公開されているすべての評価の平均。新しいクチコミが反映されるまで最大 2 週間かかることがある
1 人あたりの件数 1 人が 1 つのビジネスに投稿できるクチコミは 1 件。写真付きの新着情報は複数投稿できる
投稿に必要なもの Google アカウントへのログイン
移転・オーナー交代 同じ名前で移転すればクチコミは自動的に移る(ホテルなど一部の業種を除く)。オーナーが変わっても名前が同じなら残る
閉業 臨時休業中は新しいクチコミを受け付ける。閉業すると受け付けない。どちらも既存のクチコミは残る
他サイトのクチコミ 旅行サイトなど、Google 以外のクチコミがプロフィールに表示されることがある。どのサイトを表示するかは選べない
業種による制限 主に 6〜18 歳を対象とする学校などは、クチコミが無効になっている

何がどれだけ順位に影響するのか

件数: 少ないうちは 1 件の差が大きい

  • 16,000 以上のプロフィールを分析した Localo のデータでは、クチコミ件数は調べた要因の中で順位との関係が最も強く、上位 3 位に入る割合は、1〜5 件の店で約 39%、201〜500 件の店で約 73% でした
  • Sterling Sky の実験では、9 件の店に 1 件足すと順位がわずかに上がった一方、10 件の店に 11 件目を足しても変化がありませんでした。3 件から 16 件に増やした店は順位が改善しましたが、16 件から 31 件では変化がありませんでした
  • 米国の消費者調査(BrightLocal、2026 年)では、クチコミが 20 件未満の店は使わないという人が 47% いました

考え方: 件数が 10 件未満なら、まず 10〜20 件を目指すのが最優先です。その先は、件数そのものより競合との差と、増え方(後述)を見ます。

評価: 星 4.5 前後が目安。満点である必要はない

  • Localo のデータでは、平均評価が 4.3〜4.4 から 4.5〜4.6 になると上位に入る割合が上がり、それ以上はほぼ頭打ちでした
  • 星 5.0 の店はむしろ成績が悪く、理由は件数が少ないことでした(200 件以上ある星 5.0 の店は好成績)
  • 米国の消費者調査(BrightLocal、2026 年)では、星 4.0 以上の店しか使わない人が 68%、星 4.5 以上しか使わない人が 31% でした。基準は年々厳しくなっています

考え方: 星 1〜2 が多いと順位を下げる要因になります。低評価の原因になっている体験そのものを直すことが、遠回りに見えて最も効果があります。Google も、肯定的なものと否定的なものの両方があると、顧客はクチコミを信用できると感じるとしています。満点を目指して低評価を避けようとするより、件数を積み重ねる方が健全です。

新しさ・増え方: 専門家とデータで評価が分かれる

  • Sterling Sky は、月 60 件以上集めていた歯科医院が、18 日間獲得が止まっただけで順位が急落し、月 15〜45 件を保っていた競合は安定していた事例を報告しています。「累計より今月の件数が順位に影響する」という見方です
  • 専門家への調査でも「クチコミの新しさ」は大きく順位を上げ、上位の要因に入りました
  • 一方で Localo の大規模データでは、月あたりの獲得ペースと順位の間にはっきりした関係は見られませんでした

考え方: 両方の結果を踏まえると、「止めると落ちることがある」ので、依頼を日常業務に組み込んで途切れさせないのが安全です。利用者も、74% が直近 3 か月のクチコミを気にしているという調査があり、新しさは来店の判断にも影響します。ただし、短期間に急増させるのは逆効果です(クチコミが消える・反映されない)。

本文のキーワード: 順位に影響するという根拠は弱い

「クチコミにサービス名や地域名が入ると順位が上がる」という説は根強くありますが、Sterling Sky がキーワード入りのクチコミを投稿した実験では順位は上がらず、Localo の 13 万語以上の分析でも実務で使えるほどの差は出ませんでした。そもそも、書く内容を指定して依頼することは Google のポリシーで禁止されています。

検索結果の店の一覧に、検索語を含むクチコミの一部が抜き出されて表示されることはあります。順位への効果とは別に、検索した人が「自分の探しているものがある」と分かる効果があると考えられます。

写真付きのクチコミ: 順位より「見え方」に影響する

写真付きのクチコミは、店舗のページで上の方に長く表示されやすいことが分かっています。古いクチコミに写真が付いたことで上位に浮上し、低評価のクチコミが押し出された例もあります。

オーナー返信: 順位ではなく、来店とクチコミの質に影響する

返信しているかどうかや、返信に入れるキーワードが順位に影響するという根拠は見つかっていません。一方で、ホテルを対象にした研究では、返信を始めた施設はクチコミが 12% 増え、評価が平均 0.12 上がりました。詳しくはクチコミへの返信を参照してください。

件数と評価の組み合わせで、打ち手が変わる

LocalBase が支援している店舗の表示回数と反応数(電話・ルート・Webサイトへのクリック)を分析すると、クチコミの状態によって、表示されたあとに反応される割合に次の傾向がありました。

順位 状態 打ち手
1 件数が多く、評価が高い 依頼を続けて状態を保つ
2 件数が少なく、評価が高い 依頼を増やせば 1 に近づく
3 件数が少なく、評価が低い 最も改善しやすい。 低評価の多さは件数の少なさが原因のことが多く、依頼を積極的にすれば評価が 3 点未満から 4 点前後まで上がった例もある。並行して低評価に返信する
4 件数が多く、評価が低い 店舗の品質・接客・清潔さそのものに問題がある可能性が高い。依頼より先に運営を改善する

その時点の反応率では 1 と 2 の差が大きく見えますが、改善のしやすさまで含めると、3 と 4 の差がいちばん大きいというのが運用の実感です。3 の店は、ほとんどのクチコミが低評価で埋まりやすく、読む人の不安が強くなるので、新しいクチコミが入るだけで印象が大きく変わります。月 5 件集められれば 1 年で 60 件になり、クチコミが数件しかない業種では、それだけで状況が一変します。

目標の立て方(競合との比較)

  1. 競合を決める: 「店主が意識している店」ではなく、狙う検索語で、顧客が検索しそうな地点から検索したときに 3 位以内に出る 3〜5 店です(競合比較)
  2. 3 つの数字を記録する: 件数、平均評価、直近 3 か月に増えた件数
  3. 差から目標を決める
項目 目標の立て方 例(仮の数字)
件数 1 年以内に、上位 3 店の平均に届く 上位の平均 120 件、自店 30 件 → 1 年で +90 件
増え方 「差を埋める分 ÷ 12 か月」+ 競合の月あたりの増え方 90 ÷ 12 + 競合の月 5 件 = 月 12〜13 件
評価 4.3 未満なら 4.5 前後へ。4.5 以上なら維持 3.9 → 低評価の原因を直しつつ件数を増やす
新しさ 30 日以上、新しいクチコミが途切れない 毎月 1 件以上は必ず入る状態

目標の件数が今の月の獲得数の何倍にもなるなら、何か月もかけて段階的に上げます。急増はフィルタや投稿停止の原因になります。自店でどのくらい集められるかは、依頼した人数と獲得数を 2 か月記録して確かめます(依頼の仕方)。

競合が不自然な増え方(1 日に十数件、星 5 だけ、短い同じような文面)をしているなら、追いかける対象ではなく、報告の対象かもしれません(競合のスパムの報告)。

月次で見る数字

数字 見方 動いたときに疑うこと
累計の件数 前月との差 減った → フィルタ・削除・不具合
今月の獲得数 目標との差、前年同月との差 急に減った → 依頼が止まった。急に増えた → 違反の始まり
平均評価 累計と、今月のクチコミだけの平均を分けて見る 今月の平均が下がった → 運営の変化
星 1〜3 の件数と内容 「待ち時間」「接客」「品質」「清潔さ」「価格」などに分類 同じ分類が続く → 直すべき点
返信率・返信までの日数 全件への返信、48 時間以内 遅れている → 担当や手順の問題
消えた件数 前月の記録との差 店内での依頼、急増、例文の配布
競合の件数(四半期ごと) 差が縮んでいるか 広がった → 依頼の経路を増やす

あわせて、パフォーマンスの数字(表示回数、電話、ルート、Webサイトへのクリック)も同じ表に並べます。クチコミの改善が反応の増加につながっているかを確かめられます(パフォーマンス)。

月 30 分のルーティン: 月初に数字を記録する → 星 1〜3 を分類する → 先月の改善に効果があったかを見る → 今月直すことを 1 つ決める → 依頼が全員に回っているかを確かめる。LocalBase の運用支援では、数字を記録しないと運用は 2 週間〜1 か月で止まると見ています。

業種ごとの傾向

業種 クチコミの傾向 運用の重点
飲食店 件数が集まりやすく、増えるペースも速い。写真付きのものが多い 途切れさせない。POP の特典に注意
美容室・サロン 予約サイトのクチコミと分かれやすい Google への依頼も別に。スタッフ名を書いてもらうよう頼まない
クリニック・歯科 件数が少なく、不満があったときに書かれやすい。数件で選ばれ方が変わる 中立の文面で全員に依頼。返信は守秘義務に配慮
整骨院・鍼灸・整体 同上。通院の区切りで依頼しやすい 回数券の案内と依頼を分ける
小売店 チェーンでは店舗ごとの差が大きい 店舗ごとの QR の取り違えに注意
宿泊施設 旅行サイトのクチコミも表示される チェックアウト後のメールで依頼。館内のタブレットは使わない
不動産・士業・BtoB 取引の回数が少なく、件数が伸びにくい 案件の完了ごとに確実に依頼する。紹介元どうしで書き合わない

LocalBase の運用支援では、治療院・クリニックは、良い体験より不満のあるときに書かれやすい業種で、だからこそ自分から依頼する効果が大きいと見ています。数件の良いクチコミで新規の患者が増えたという声も、支援先から聞いています。

AI 検索とクチコミ

2026 年から、日本の Googleマップでも Gemini によるクチコミの要約や、条件に合う店を AI が提案する「マップに相談」が始まりました。米国の調査(BrightLocal、2026 年)では、82% が AI によるクチコミの要約を読み、23% は要約だけで判断すると答えています。実務者の観察では、AI は「時間どおりだった」「追加料金がなかった」のような具体的な体験の言い回しを拾って紹介に使う傾向があります。

キーワードを入れてもらう必要はありませんが、顧客が具体的な体験を書きやすいように、内容を指定しない問いかけで依頼するのは有効です(クチコミの依頼の仕方)。逆に、否定的な内容が多いと、要約にもそれが反映されます。

よくある違反の一覧

違反 何が起きるか 詳しく
クチコミと引き換えの特典・割引・抽選 削除、警告、受付停止。景品表示法の措置命令 依頼で守るルール
満足した客だけに頼む・低評価を妨げる 同上 同上
その場で書かせる、店の端末を使う フィルタ、投稿停止 消える・反映されない
内容・スタッフ名の指定、例文の配布 削除、同じ文面の一斉の削除 依頼で守るルール
スタッフへのノルマ 2026 年 4 月から明確な違反 同上
サクラ・代行投稿・関係者の投稿 まとめて削除、警告、炎上 同上
低評価の削除と引き換えの見返り 違反。削除業者への依頼は弁護士法違反のおそれ 違反クチコミの削除

運用の全体像

  1. ルールを決める: 禁止事項を店舗・スタッフ全員で共有する(依頼で守るルール)
  2. 依頼を仕組みにする: 全員に、帰宅後に、途切れずに依頼する(依頼の仕方)
  3. 返信する: 低評価から優先して返信する。星の数・状況ごとのテンプレートを用意し、本文のない評価(星だけ)はテンプレート(自動返信)で素早く、本文のあるクチコミは星の数にかかわらず内容に触れて返す(返信、例文集)
  4. 消えたクチコミに対処する: フィルタや投稿停止の兆候に気づき、申告する(消える・反映されない)
  5. 違反クチコミの削除を申請する(違反クチコミの削除)
  6. 毎月数字を見る: 件数、平均評価、今月の獲得数、低評価の内容、競合との差

複数店舗での管理

  • 全店を 1 つの表で見る: 店舗ごとの件数、平均評価、今月の獲得数、未返信の件数、消えた件数を毎月同じ日に記録します
  • 店舗間の比較で異常に気づく: 獲得数が急に増えた店舗は、特典やその場での投稿が始まっていないかを確かめます。急に減った店舗は、依頼が止まったか、フィルタを疑います
  • 目標は店舗ごとの競合で立てる: 都心の駅前と郊外では、競合の件数がまったく違います。全店一律の件数目標にはしません。また、スタッフ個人への件数のノルマは禁止です
  • 役割を分ける: 依頼と星の高いクチコミへの返信は店舗、低評価・医療や法律に関わる返信・削除の報告・ルールの周知は本部、と決めます
  • 低評価の分類を全店で集計する: 同じ不満が複数の店舗で出ていれば、本部の仕組み(予約、価格の表示、マニュアル)の問題です
  • LocalBase では、全店舗のクチコミと未返信を一覧で確かめ、店舗ごとの返信テンプレートで返信でき、本文のない評価には星の数に応じた自動返信も使えます

チェック項目

  • 競合 3〜5 店の件数・評価・直近 3 か月の増え方を記録している
  • 競合との差から、件数と月の獲得数の目標を立てた
  • 毎月、件数・今月の獲得数・平均評価・星 1〜3 の内容を記録している
  • 30 日以上、新しいクチコミが途切れていない
  • 急増していない(1 日 10 件以上の集中がない)
  • 依頼のルールを全員で共有している
  • 低評価を分類し、運営の改善につなげている

よくある質問

Q. 悪いクチコミが多いので、プロフィールを作り直してリセットしたいのですが。 できません。同じ場所・同じ名前で作り直すと重複になり、停止の原因になります。移転やオーナーの交代でも、名前が同じならクチコミは残ります。低評価への返信と、新しいクチコミの積み重ねで立て直します(違反クチコミの削除)。

Q. 業者に頼めばクチコミを増やせますか? 業者がクチコミを「増やす」ことはできません。できるのは、店舗が依頼する仕組みづくりの支援までです。それ以外の方法で増やすと言う業者は、サクラや特典付きの依頼を使っている可能性があります(MEO 業者の選び方)。

Q. 星 5.0 を保ちたいのですが。 満点にこだわる必要はありません。データでは、件数の少ない星 5.0 の店はむしろ成績が悪く、4.5 前後で十分でした。低評価が入るのを恐れて依頼を絞ると、選別の依頼になり違反です。

Q. 他のサイト(食べログ、ホットペッパーなど)のクチコミも大事ですか? 来店する人はそれらのサイトも見ます。Google のプロフィールに、Google 以外のサイトのクチコミが表示されることもあります。ただし、ほかのサイトのクチコミが Google の順位にどれだけ影響するかは、はっきりしていません(業種別ポータル)。

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出典

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